『グランドマスター』VS『煉界』 その5
〈三人称視点〉
『煉界』に入ると同時に、シンは炎を包まれた。
「アハハッ!これでお前もお終いだ!!!私をあいつと比べやがって!」
ガートーリは、笑いながら燃え盛るシンを見つめ、話す。
「あいつは!『幻界』は、1番最後に創られた使徒だった!なのに!!!私よりも上に行った!!!『崩界』は、良いさ!!!あいつは1番最初に創られた主上に最も近い使徒だから!!!でも、あいつは!『幻界』は違う!私はあいつを認めない!たとえ他の使徒が認めても!!!」
ガートーリは、そう言いながら、笑った。
そんな時だった、その声が聞こえたのは……
「随分饒舌に喋るね。疲れない?」
シンは、体が燃えているというのに、平然とした声でそう言った。
「何……お前……何故生きている!?!?!?」
ガートーリは、その顔に驚愕の表情を浮かべ、そう聞いた。
「何故?何故かな?」
シンの体から徐々に炎が消え始めた。
そして、その顔を……否、目を見た時、ガートーリは狂気を見た。
「救い足りないんだ!まだまだまだまだまだまだまだまだ!!!さっきも、僕がもっと早く着けば助けられた人がいた!その命も、僕が背負うべき業だ!生きれば生きるほど、僕の業は増えていく!助けなきゃ行けない人数が増えていく!ボクは許されては行けないんだと自覚する!まだ死なないんだ……。こんなところで……。だから、君が死ね」
次の瞬間、ガートーリの首が飛んだ。
ガートーリは、恐怖してしまったが故に、反応できなかった。
『死神』は、未だ自身を許していなかった。
それ故に、ガートーリは負けた。
狂気に勝てる存在が、もしいるのだとすれば、それは同じ狂気に侵された者だけだから。
ガートーリは、狂気が足りなかった。
こうして、『グランドマスター』と『煉界』の戦いは、『グランドマスター』の勝利で幕を下ろした。
裏設定 シンのステータス
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