『グランドマスター』VS『煉界』 その3
〈三人称視点〉
シンの剣がガートーリに迫る。
それをガートーリは、超高温の炎を纏った拳で捌く。
幾度となく、それが繰り返された。
「おお、予想よりも強いね君」
「お褒めいただき光栄だねっ!!!!!」
シンはそう、余裕そうな声で、攻撃を続けながらそう言い、ガートーリは、余裕のなさそうな表情でそれに答える。
まさに、ガートーリは防戦一方といった様子だった。
「まあ、そろそろ終わらせるとするよ」
その言葉と同時に、シンの攻撃がさらに重く、速くなった。
ガートーリは、その攻撃を傷を負いながらも致命傷だけは避け続けた。
「ほら、さっきまでの威勢はどうしたんだい?」
「うるさい!!!」
ガートーリの拳の炎がさらに大きく燃え、その拳がシンに迫った。
シンはそれを難なく避けると、ガートーリの右腕を斬り裂いた。
「グアアアッ!!!」
「これでお終いかな?『シャドウ』の本体なら、もうちょっといい勝負ができたと思うけど、まあ、人選ミスってことかな?」
その言葉がシンから放たれた次の瞬間、ガートーリから太陽すら超えるほどの温度の炎が燃え上がった。
「今……なんて言った?」
さっきまでとは明らかに違う、圧倒的なまでの威圧感を放つガートーリがそこにいた。
「これは……ヤバイね。ミスったかも」
「私をあいつと……比較するな!!!!!『煉界』!!!』
次の瞬間、シンは、炎に包まれた世界にいた。