『吸血姫』VS『凍界』 その2
〈三人称視点〉
氷の矢と血の矢がぶつかり合い、相殺し合う。
そんな中、グラキエは、氷の剣を作り、急速にアレリルリに接近し、そして背後にまわり、氷の剣を振り下ろした。
しかし、アレリルリは、それを分かっていたかのように巨大な血の鎌で氷の剣を受け止めた。
「へえ、やるじゃん。玩具のくせに」
「お前は弱いな。スピードも遅いし力も弱いのじゃ」
「へえ、これでもそんな口がきける!?!?!?」
グラキエはそう叫ぶと、超高速で何回も何回も剣でアレリルリを斬りつけた。
しかし、アレリルリは、それを難なく受け止める。
そして、
「死ね」
アレリルリの鎌がグラキエの首元に迫った。
「クッ」
グラキエは、それをなんとか剣で受け止めた。
しかし、衝撃を流しきれず、吹き飛ばされた。
そして、その吹き飛んだ方向にアレリルリも高速で飛行した。
そして、追いつくと同時にその鎌で再び斬りつけた。
「チッ!」
グラキエは、それをなんとか防ぎ、体勢を整えるとともに攻撃を再開した。
2人の攻撃はぶつかり合い、2人を中心とした衝撃波を発生させた。
攻撃を続ける中、グラキエは、周囲に大量の氷の矢を作り、それで一気にアレリルリを攻撃した。
しかし、アレリルリは、自身の体全てを血で覆い、その血を凝固し、さらに魔力で硬度を上げることによって全ての氷の矢を防いだ。
「やはり、この程度か」
アレリルリがそう言うと、グラキエは笑みを浮かべ、
「違うよ。本命は別」
次の瞬間、2人を覆うほどの影ができた。
アレリルリが上を向くと、そこには、
「なんじゃ?これは?」
山ほどの大きさを持つ氷の塊があった。