『鬼王』VS『雷界』 その4
〈三人称視点〉
「な……何を……した……?」
血を流し、よろけながらトニトゥルがゴウテに聞く。
「俺は、お前に殴られると同時に、少しずつ、少しずつ俺の魔力をお前の中に入れていったのさ。そして、今その魔力を槍へと変えた」
「それが……お前の……ユニークスキルという……ことか?」
「ああ、そうだ」
ゴウテは、起き上がると、手元に金棒を出現させ、トニトゥルをその金棒で殴り飛ばした。
「グハッ……」
トニトゥルは、吐血し、骨が大量に折れる音を響かせながら遠くへと飛んだ。
ゴウテは、轟音を響かせながら跳躍し、トニトゥルに接近すると同時に追撃を加えた。
それを何度も繰り返した。
しばらく経つと、そこには、ボロボロになって這いつくばるトニトゥルと、それを見下ろすゴウテが居た。
「これで……とどめだ」
ゴウテは、そう言うと、金棒を振りかぶり、勢いよくトニトゥルに叩きつけた。
「『雷界』」
金棒がトニトゥルに当たる直前、トニトゥルの方から、その言葉が放たれた。
次の瞬間、ゴウテに絶え間なく雷が降り注いだ。
ユニークスキル紹介
『武器生成』
自身の魔力を武器へと変える能力。自身の魔力がその場にあれば、たとえ自身がその場にいなくともその魔力を武器へと変えることができる。