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『鬼王』VS『雷界』 その2
〈三人称視点〉
「痛いじゃないか」
蹴られたトニトゥルは、無気力な声でゴウテにそう言った。
「そうか?だったら良かった!!!」
ゴウテは、そう言うと、トニトゥルに殴りかかった。
トニトゥルは、今度はその攻撃をくらわずに手で防いだ。
さらに、ゴウテの腕を掴み、避けられないようにして、雷を纏った拳で腹を殴った。
「グッ……ハッ……」
「『走れ』」
トニトゥルがそう言った次の瞬間、ゴウテの体を雷が駆け巡った。
「グアアアアアッ!!!」
「へぇ、耐えるんだ」
トニトゥルはそう言うと、再度ゴウテを殴った。
何度も。何度も。
トニトゥルに殴られるたびにゴウテの体を雷が聞け巡る。
しかし、それでも、ゴウテは死ななかった。
「君、何者?耐久力がすごいね」
「さあ、何者……何だ……ろうな……」
ゴウテが弱々しくそう言うと、トニトゥルは、少し目を細めゴウテを見つめ、そして……
「君、魔物だよね。主上の兵器たる魔物が何でオモチャを守るんだい?」