『獣王』VS『震界』 その5
〈三人称視点〉
世界が歪み、ガツクは異空間に飲み込まれた。
そこは、全てが揺れていた。
「何だ……これ」
ガツクは今度こそ本当にまともに立っていることができずに倒れ込む。
「フハハ、無様だな。これで俺の勝ちだ」
モートゥは、そう言うと、ガツクを蹴り飛ばした。
「グァッ……」
何も出来ないガツクに、モートゥは猛攻を加えた。
……………………
……………
……
モートゥからの猛攻が始まり、しばらくの時間が経った。
そこには、無傷で笑いながら立っているモートゥと頭だけになったガツクが居た。
「フハハ、これで死んだか?随分しぶとい奴だったな。まあ良い……そうだ。お前の体内に頭を獣人共に見せよう。どんな反応するかな?」
モートゥは、そう言いながら、ガツクの頭を覗き込む。
次の瞬間、ガツクの目が開き、口を大きく開けてモートゥに襲いかかり、モートゥの首を噛みちぎった。
「ぺっ。お前の敗因は、俺を侮ったことだ」
「何で……生きて……る?」
「俺は心が折れない限り死なないのさ。ユニークスキルの効果でな」
「ク……ソ……が」
こうして、『獣王』と『震界』の戦いは『獣王』の勝利で幕を閉じた。
ユニークスキル紹介
『不屈』
心が折れない限り、どんな重傷を負っても死ななくなる。