『獣王』VS『震界』 その2
〈三人称視点〉
モートゥは、ガツクの拳を受け止め、そのまま、ガツクの腹を殴った。
「グッ……ハッ……」
「フハハ、動きが大きすぎて、隙だらけだぞ?」
モートゥは、うずくまるガツクを見下ろしながら嘲るような口調でそう言った。
「そう……かよ!!!」
ガツクは、勢いよく起き上がり、そのままモートゥの頭に蹴りを入れた。
モートゥは、それを平然と受け止めた。
しかし、ガツクは、不敵に笑い、
「『獣化』……『脚』!!!」
そう叫んだ。
次の瞬間、ガツクの脚が獅子のものへと変わった。
そして、一瞬だけ驚いたモートゥの隙を見逃さず、そのまま、モートゥを蹴り飛ばした。
しかし、モートゥは、ガツクの予想よりも吹き飛ぶ距離は短く、ダメージもそこまでなかった。
「そうだった、そうだった。獣人には『獣化』があったな」
モートゥは、そう言って起き上がり、次の瞬間には、ガツクの目の前に居た。
そして、そのままガツクを殴り飛ばした。
ガツクは、大きく吹き飛び、街の建物に激突した。
そこには、まだ逃げ遅れた獣人が居た。
獣人たちは傷を負ったガツクを不安そうに見た目、どうしたら良いのか分からず狼狽えた。
ガツクは、そんな獣人たちに
「俺のことはどうでも良いから、早くこの場から逃げることだけを考えろ!」
そう叫び、またモートゥに向かって行った。
「王は守るものが多くて大変そうだな?」
モートゥがそう言うと、
「そうだな……だから、もう……使う覚悟を決めた」
ガツクはそうそう言った。
「使う?」
「『真姿解放』!!!」