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『魔王』VS『嵐界』 その3
〈三人称視点〉
「『屈辱を味わせる』ねぇ、そんなボロボロの体でどうやるのさ」
テンペスターが嘲るようにそう言うと、
「こうやってさ!」
エンカはそう答え、超高速でテンペスターに迫った。
そして何度もテンペスターを斬りつけた。
しかし、その攻撃は全てテンペスターに避けられる。
さらには風の斬撃によって逆にエンカが傷を負う。
「ほらほらどうした!?このままじゃ出血多量で死ぬよ!?」
「その前に、貴様を倒す!」
エンカの攻撃がどんどん鋭く、重くなっていく。
そして、ついにテンペスターの顔に一撃与えることに成功した。
「チッ、一方的に負けてるってのに心は折れないし、攻撃も弱くなるどころか強くなってる。死が近づいたことで肉体のリミッターが外れてきてるのかな?火事場の馬鹿力ってやつか」
「そうかもな!」
「まあ、心を折れば問題ないね。見せてあげるよ。格の違いを。『嵐界』」
テンペスターのその言葉と共に、いつの間にか暴風が吹き荒れる異空間に居た。
「なんだ!?ここは!?」
「ようこそ、僕の『箱庭』へ」