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『魔王』VS『嵐界』 その1
〈三人称視点〉
「これが『四天王』ね……。弱すぎない?」
魔王国カースでは、突如現れた『嵐界』テンペスターと『四天王』が戦っていた。
「こいつ、強すぎるだろ!」
「我らが手も足も出ないなんて」
「こいつをこれ以上侵攻させる訳にはいかない!」
「差し違えてでも、こいつはここで殺す!」
ボロボロになりながら、それでも『四天王』は勝ち目のない戦いに挑む。
もう二度と、この平穏な生活を壊されたくないから。
「其方らに死なれては、困る」
突如、そんな声が『四天王』の後ろから聞こえてきた。
「あっ!やっと出てきたんだ」
テンペスターがそう、声の人物に声をかける。
「「「「魔王様!!!」」」」
『魔王』エンカが、そこにいた。
「さて、ここからは貴様の相手は余がしよう。魔王国に手を出したこと……後悔させてやる」
エンカはそう言うと、禍々しい刀を構えた。