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ビギの町の戦い その3

〈三人称視点〉


 彼の両親は、冒険者だった。


 Bランク冒険者であり、町の英雄だった。


 彼が産まれてから数ヶ月が経った時、それは起こった。


 魔物の群れが町に侵攻してきたのだ。


 彼の両親は町を守るために戦った。


 そして、町を守りきった。


 自らの命を犠牲にして。


 彼は、孤児院に引き取られた。


 その孤児院には魔物に親を殺された子供が数人いた。


 彼が物心ついた頃、彼は同じ孤児のみんなと本当の家族のように暮らしていた。


 町の人々も親切で、寂しさはなかった。


 ただ楽しい毎日があった。


 彼は恩返しをするために、冒険者になった。


 魔物の脅威から今度は自分が守るんだと言って。


 それからしばらくの時が経ち、彼はAランク冒険者になった。


 彼は、Aランク冒険者になってからも町に残り町を守り続けた。


 彼はいつしか、『ビギの町の英雄』とまで呼ばれるようになった。


 彼の名はヘーロ。


 己が命のある限り、町を守ると誓った男。




 ……………………


 ……………


 ……



 ヘーロには、生まれつきとあるユニークスキルがあった。


 しかし、それは効果こそ絶大であるものの、代償があった。


 ヘーロはずっとそれを使うのを躊躇っていた。


 しかし、町を守るため、使う覚悟を決めた。


「町を守れるのなら、安いものだ!……『命ノ輝キ』!!!」


 次の瞬間、ヘーロの全身を真っ白なオーラが覆った。


「これで、終われ!」


 そして、今まででは考えられないような速度で古代大鬼(エンシェントオーガ)に近づき、古代大鬼の胴体を斬りつけた。


 大量の血が溢れ、古代大鬼が怯む。


 その隙にヘーロは古代大鬼の頭を斬り落とした。


「勝っ……た……」


「お前……予想……以上に……強いな」


 ヘーロの後ろから声が聞こえた。


 ヘーロが振り返ると、そこには満身創痍といった様子のアルカフォードルがいた。


「良かった……そちらも……勝てたんですね……」


「ああ、なんとかな」


 こうして、町の危機は一旦去った。


 


 

ユニークスキル紹介

『命ノ輝キ』

 10秒だけ自身の身体能力を1000倍にするスキル。クールタイムはなく、使用後に筋肉痛になることもない。ただし、代償として1回の発動につき寿命が1ヶ月短くなる。

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