目覚め
目が覚める。
どうやら、意識が肉体に戻ったようだ。
ここは……。
オレは今ベッドに横になっている。
瑠璃が運んでくれたのかな……。
あれ?
そういえば瑠璃は!?
部屋を見渡しても瑠璃の姿が見えない。
辺りを感知してみても瑠璃の気配がない。
どこにいる?
まさか……もう……。
「おや、目が覚めたようだね」
扉を開け、誰かが入ってきた。
確か……『災害指定』の『魔女』……。
「崩壊した肉体も完全に治ってるし、いや、そもそも肉体が完全に作り替えられた……とでもいうべきかな?」
『魔女』はオレの顔を覗き込みながら興味深そうにそう言う。
そういえば、オレの肉体に少し魔力の残滓がある。
どうやら、結構早い段階で『魔女』が魔法で肉体の崩壊を止めてくれたようだ。
まずはお礼を言うべきか……。
瑠璃のことも、知ってるかもしれないし、それも聞いておこう。
「えっと、肉体の崩壊を止めてくれてありがとうございます……。ところで、瑠璃が今どこにいるか知りませんか?」
「おや、私が肉体の崩壊を止めたって分かるんだ。魔力の残滓からその魔法がどんなものかも分かるのかな……すごいね。あ、ルリはそろそろ戻ってくるんじゃないかな?」
「そう、ですか」
よかった!
瑠璃は無事だ!
しばらくすると、近くに瑠璃の気配が現れた。
そして、すぐに勢いよく扉が開かれ、瑠璃が入ってきた。
「クク!!!」
とんでもない勢いで瑠璃が抱きついてくる。
それを受け止め、抱きしめる。
「クク!心配したのだぞ!!!」
「ごめん……心配かけちゃって……」
「良い!あれは予想外のことだった。ククが悪いわけではない!」
「そう言ってくれると、ありがたいな」
「それにしても瑠璃……強くなってるね」
「フフフ、そうであろう!」
とんでもない強さだ。
多分、神化する前のオレより上……。
何があったんだ?
いや、少し予想はつくな。
「2人の空間を作ってるところ悪いけど、一応言っておく。明日、邪神の本格的な侵攻が始まる。2人はどうする?先に仕掛ける?どっちにしても邪神とは戦うんでしょ?」
「そう……だな……オレは、まだこの上昇した身体能力を完全に掴めてはいないから少し時間が欲しいかも」
「そういえばククもすごく強くなっているな。どうなっておるのだ?」
「後で話すよ。瑠璃はどうする?すぐに戦いたい?」
「いや、我もこの肉体の調子を確かめたいな」
「じゃあ、明日……日の出とともに邪神のところに攻め込もうか」
「うむ!!!」