九喰いとの戦い
なんとか体勢を立て直し、『九喰い』に殴りかかる。
しかし、『九喰い』はそれを全く意に介さずオレの腕を掴み握りつぶす。
「グッ」
痛い。
けど、そんなことはどでもいい。
オレはこいつに勝つ。
絶対に。
『九喰い』の腹を蹴り飛ばす。
『九喰い』は少しよろけたが、オレの腕を掴んだまま潰し続けている。
これじゃ再生ができない。
あれ、そういえばここ、スキル使えるのか?
さっきからオレ……スキル使ってないよな。
「おや、気付いたようだね。そう、ここではスキルは使えない。ただ、己の身体能力と戦闘技術のみで戦う場さ。もちろん、ボクだって例外ではない」
「そう……かよっ!!!」
無理矢理『九喰い』の手を振り解き、そのまま『九喰い』の頭を掴み頭突きした。
「グッ……」
『九喰い』が少しよろけた。
その先に腕を掴んで固定して何発も腹に拳を叩き込んだ。
「そう……でなきゃ……面白くない!」
『九喰い』はそう言うとオレの腕を掴み、そして捻り関節技を決めてきた。
オレの動きを封じたことで『九喰い』に少し油断が生じた。
この機会を見逃したら、多分勝ち目はない!
ボキイイイ!!!
骨を折り無理矢理拘束から逃れ、そのまま『九喰い』の顔面を殴り飛ばす。
「ゆ……だん……したなー。ここで骨折ってくるかー」
結構なダメージを入れることが出来たが、追撃しようとしたところ避けられた。
「でも、これで君の腕は両方使えないね」
「そうだな。お前は立っているのがやっとって感じだな」
「そうかもね」
次の攻撃が最後かな。