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九喰い
瑠璃……。
ああ、そうだ。
なんで忘れてたんだ?
瑠璃がいるじゃないか。
瑠璃を思い出したことをきっかけに、全部思い出せた。
それと同時にオレの体が変化し、異世界に転生してからの姿になった。
「思い出したようだね」
九尾の少女が笑顔で話しかけてくる。
「うん。おかげさまで。ヒントをくれてありがとう」
「どういたしまして」
ヒントがなかったら、多分オレは思い出すことが出来なかった。
「でも、良かったの?これで勝敗はわからなくなったよ?さっきまでだったら君の圧勝だったのに」
「いいよ。そもそも記憶のない君に勝っても嬉しくないからね」
この少女の正体は大体察しがついている。
「じゃあ、勝負を再開しようか『九喰い』」