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焼き払う
〈三人称視点〉
戦場に転移したルリは、目の前の光景に愕然とした。
そこには、黒いナニカに蹂躙される魔族たちがいた。
黒いナニカは、戦場を埋め尽くすほどの数がいた。
人間もほとんど残っていない。
魔族は、『四天王』と『三大真祖』がギリギリ応戦できているが、殺されるのも時間の問題だろう。
「これも……あやつがやっているのか?」
この量の魂が使われた場合、確実に、邪神は全盛期の力を持った状態で復活する。
「この黒いナニカも世界の脅威足り得るものであるな。ならば、これの排除も我の仕事であるな。しかし、『四天王』と『三大真祖』を巻き込むわけにはいかぬ」
ルリはそう言うと、『四天王』と『三大真祖』、そして他に残っていた魔族たちを魔王城に転移させた。
「さて、正体は分からぬが、滅べ」
ルリはそう言うと、大量の漆黒の炎を出現させ、それで黒いナニカを全て焼き払った。
「これはこれは、やはり強いものですね。『竜』というのは。私の『実体軍』が全て一瞬で消えてしまいました」