復讐 その5
さて、こいつらにもっと苦痛を味わわせるのは確定として……どんな方法が良いかな?
うーん。
あ、あれにしよう。
ちょっと多めの神力を解放し、空中に幾何学模様の陣を描いた。
陣は完成すると同時に神々しい光を放ち始めた。
そして、その光に当たった勇者たちの傷が一瞬で回復し始めた。
勇者たちは、オレが何をしたいのか分からず混乱しているようだ。
「分からないようだから教えてあげるよ。この術は『陽属性神術・瞬癒ノ陽光』効果は君たちが体験している通り、どんな重傷でも一瞬で治すというもの。これを発動した理由はね……これから色々な種類の痛みを体験してもらうため」
説明すると、勇者たちは、みるみる顔色を悪くしていった。
元々恐怖に満ちてた表情がさらに悪くなってる。
良いね。
「じゃあ、まずは焼いてみよーか」
次の瞬間、勇者たちの肉体は1人の例外もなく燃え始めた。
「「「**********!!!」」」
声にならない悲鳴が響き渡る。
ああ、良い声だ。
「じゃあ次は、深海の水圧を体験してもらおう」
勇者たちを完全に包むように水を生み出し、それを神力でいじり、水圧を深海並みにした。
骨が軋む音が響く。
この音もなかなか良いね。
「じゃあ、次は……」
…………………………
……………
……
勇者たちに色々な痛みを与えて始めてから、数10分経った。
今、オレは痛みを与えるのを中断している。
だって……すでにこいつらの表情が完全な絶望に染まったから。
これ以上やると完全に心が壊れる。
もう結構壊れてるかもしれないけど、完全に壊れてしまったら苦痛も感じなくなってしまう。
それでは意味がない。
このまま、心が少し治るのを待って復讐を再開しても良いかもしれないけど、そろそろ瑠璃にも会いたくなってきた。
帰ろう。