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復讐 その3
「う、ああああああああああ!!!」
錯乱した様子の1人の勇者が、オレに斬りかかってきた。
オレは、それを……避けずに受けた。
次の瞬間、勇者の手には、折れた剣があった。
わざと当たって、自分の攻撃が無意味だと分からせるのも、絶望へと誘う良いスパイスになるだろう。
「ぼ、僕の聖剣がーーー!!!」
叫んでるとこ悪いけどさ、
「戦いの真っ最中だってこと、理解してる?」
ひとまずこいつの両腕を斬り落とし、顔に大きく斬り傷を付けた。
こいつ確か、ナルシストだったし。
「さ、他のみんなも攻撃してきてよ。もしかしたら、全員でならオレに勝てるかもしれないよ?」
オレがそう言うと、
「やってやる!やってやるぞ!」
「こんなとこで死んでたまるか!」
勇者たちは自分を奮い立たせ、一斉にオレに攻撃を仕掛けてきた。
そして、オレはそんな勇者たちを、
斬って……
斬って……
斬りまくった。
うーん。
分かってたことだけど、弱すぎて話にならないな。
まあ良いや。
こいつらを絶望に落とすには、これぐらい実力差があった方が良いかもしれないし。