復讐 その1
久しぶりの主人公視点!
勇者たちは、突然現れたオレを見て、動けずにいた。
「だ……誰だ?お前?」
勇者の1人がそう言ってきた。
は?
オレのことが分からない?
あれだけいじめてたオレのことをもうこいつらは忘れたのか?
確かに姿は少し変わったけど、顔はほとんど変化してないんだぞ?
イラつく……。
「オレのことが分からない……そう……あんだけいじめてたやつを忘れるなんて、その頭は相当出来が悪いんだな?」
オレがそう言うと、
「なんだと!?」
実力差も分からない勇者の1人が憤慨したような表情をしながら怒鳴ってきた。
「いや……待て……お前、狐宮か?」
お?
勘のいい奴が気づいたようだ。
「正解」
オレがそう言うと、
「こいつがか?」
「いや、ちょっと変わってるけど顔はよく見たら狐宮だ!」
勇者たちは驚いたような表情をしながら、さっきまでの警戒を解き、ニヤニヤし出した。
「なんだ。狐宮かよ。脅かしやがって」
「またいじめられに来たんでちゅかー?」
「「「アハハハハハハハハハハ!」」」
オレを馬鹿にしてきた。
ああ、やっぱりこいつらはこうでなくちゃな。
ボゥ……。
勇者の1人が青白い炎に包まれた。
もちろんやったのはオレ。
やっと。
やっとだ。
やっとこいつらに、復讐ができる。
さあ、よく鳴いてくれよ?
簡単に壊れないでくれよ?
オレを……愉しませろ!
愚物共……。