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『災竜』と『竜王』

〈三人称視点〉


「捩り切れよ」


 『掌握』の後に続いたその言葉と同時に、全ての『竜』の体が捩れ、骨が折れ、筋繊維が切れる音が響き、『竜』たちの肉体は、上下に捩り切れた。


 それを行ったのは、黒髪で黒のドレスを着た美女……『災竜』ルリだった。


「姿を現せ痴れ者め」


 ルリがそう言うと、


「痴れ者とは、ひどいではないか?ルシカルルルよ」


 『竜王』ドラクルスが、不敵な笑みを浮かべながら現れた。


「我の名はルリだ。間違えるな愚竜」


「知らぬわ。それよりも、どういう了見だ?世界の調停者たる『竜』をこんな大勢殺すとは」


「どういう了見?それは我のセリフだ。この戦争への介入はどういうことだ?この戦争は世界の滅びと直結しない。『竜』が介入すべきものではないだろう?」


「確かにそうかもしれん。しかし、この戦争には勇者が来ているというではないか。であれば、あの害虫も来るのであろう?その害虫を駆除するために来たのだよ。まあ、その害虫が見つからぬから手当たり次第に目にした生物を駆除しているのだがな」


「害虫?それはククのことか?今のお前の方がよっぽど害虫と呼ぶに相応しい奴だと思うがな。それに、この程度の戦力でククを殺そうとは、片腹痛いわ!」


「確かに、これでは負けるかもしれぬな。しかし、これではどうだ?『蘇生せよ』」


 ドラクルスはそう言うと、一気に魔力を解放した。


 次の瞬間、『竜』たちの肉体が再生を始めた。


「クアハハハハハ!どうだ!これで不死の軍勢の完成だ!」


 ドラクルスが笑いだすと、ルリは、呆れたようにため息を吐き、


「『復活することは許さぬ』」


 と、そう言った。


 次の瞬間、『竜』たちの肉体の再生が止まり、崩れ落ちた。


「なっ!!!」


「少し場所を移すぞ?ここで戦えば我も戦争に介入したことになる故」


 ルリは、そう言うと、ドラクルスの腹を蹴り飛ばし、遠くへ飛ばした。


 

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― 新着の感想 ―
[一言]  なぜ勝てると思った、竜王君……お前に出来ることが瑠璃にできないわけないだろうが……。
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