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戦いの始まり
「『妖術:紅蓮の焔球』!!!!!」
その声と同時にオレの手から巨大な焔の球が打ち出された。
これは、ダンジョンに来る前に歩きながらイメージしていた妖術の一つで、特に想像しやすかったものだ。
ドゴオオオオ!!!
焔球は、手から離れると、古代大鬼に向かって飛び、直撃し、爆発した。
どうだ?
爆発の時の煙でよく見えない。
これで倒れてくれればいいけど。
けどそれそれは甘かった。
「グギャオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
古代大鬼の雄叫びが響き、あたりの煙を吹き飛ばした。
「おいおい、マジかよ?」
古代大鬼は、多少の火傷はしているものの、ほとんどダメージを負っていなかった。
どうやって倒したらいいんだよ?
いや、逆に考えろ。アイツは火傷している。オレの攻撃は決定打にならなくても、効果はあるんだ!
アイツの傷は回復しようとしない。
つまり、回復系のスキルは持ってないってことだ。
対するオレは、服の効果で回復できる。
あとは、持久戦だ。
どっちが先に死ぬか。
勝負だ!