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プロローグその1

「なぁ、なんでお前まだ学校来てんだよ?」


「お前みたいなのが来る必要ないだろ?」


「死ねよ」


 いつもの罵倒が教室に響く。


 なんで来てんのかなんて、こいつらには関係ない。


 ただ、自分と違うものを受け入れられないんだ。


 この教室の全員。


 この学校はクソだ。


 1人が虐められていようが何も対応しない。むしろ、1人が虐められることによって他全員の意思が統一するとかよく分からない理屈をこねる。


 いつもは、頑なに無視を貫くことで相手の興味が失せるようにしている。


 でも、今日は逆効果だったようだ。


「おい!無視してんじゃねーよ!」


 そう言って、虐めてくるうちの1人が殴ってきた。


 ドン!


 鈍い音が教室に響く。


「グッ」


 頭をぶつけた。


 熱い。


 なんだよこれ。


 熱くなったところを触ると、オレの手は、赤く染まっていた。


 血が出てる。


 ヤバい!


 死ぬ!


「おう、お前らおはよー」


 ちょうど先生が入ってきた。


「た、助け……」


 先生に助けを求める。


 いつも虐めを見て見ぬ振りするやつだけど、さすがに命がかかっている時ぐらいは助けてくれるんじゃないか。


 そう、かすかな希望に縋った。


 でも、こいつはオレが思うよりずっと、性根が腐っていたようだ。


「なんだ?ああ、狐宮(こみや)教室を汚すなよ。ちゃんと"自分で"掃除しろよ?」


 ゴミだった。


 いやそれ以前に学校で死んだら、問題になるに決まってる。バカなのか?いや、学校ぐるみで隠蔽でもしそうだな。


 意識が遠のく。


 死ぬ。


 こんなところでオレは死ぬのか?


 いやだ!


 そんなの!


 でもそんなオレの意思と裏腹にオレの視界は暗転した。



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