第四話
☆☆☆勇者パーティ魔導師
「おい、ザムよ。たった、一人か?お、黒目、黒髪じゃないか?異世界人か?」
・・勇者パーティーに入ってから、禁断の人体実験を出来るようになった。
素材狩り隊を各地に派遣し、危険な薬剤や禁断のキメラを作る実験まで出来るとは、勇者様様だ。
「しかし、ザムよ。感心しないな。素材を後ろにするなんて、もしものことがあったら・・」
パスパス
と言い終わらないうちに、後ろの少女は、鉄の金槌みたいな道具を取り出し、鉄のツブテを放った。
「グフ、それは・・異世界の武器か、欲しい・・」
魔導師は死に際まで、知的好奇心を隠せない。
更にとどめと
パスと音と共に、額に穴が開く。
次は、道案内した勇者パーティーの一員にも、撃つ。
プスと響く
「な、何で俺が・・言う通りにしたじゃないか・・」
「用済み・・・だから・・かな?」
☆☆☆勇者パーティー聖騎士
商業都市、表通りの真ん中を、騎士の甲冑を着た面々が、肩で風を斬って歩く。
「徴収だ!勇者パーティーが、この街を守ってやる。盗賊から守ってやるからな!」
今年、8回目の年貢の徴収である。
しかし、この日は、何かが違った。
「あれ、誰もいないぞ。どこの商会も店を閉じてやがる」
「勇者に対する不敬罪で火を付けるぞ!」
シーーーーン
「おい、何だ。あそこにバリゲードがある。盾を持っているものは前へ。密集隊形を組んで、突撃だ!」
「おおー」
と鬨の声を上げ、隊列を組むが、組んだ瞬間、バリケードからパンパンと音が響いた。
カン、カン、カンと音がなると同時に騎士たちは倒れて行った。
「何だ。これは、ミスチルの鎧と盾だぞ!」
「フフフフ、一インチ(254ミリ)の圧縮鉄鋼・・でなければ・・64ちゃんは止まらない・・よ」
わずか、数分で、勇者冒険者グループの聖騎士班は壊滅した。
・・・
「あの、是非、歓待をさせて下さい!」
「うん?いらないよ。それよりも、討伐証明お願い・・ね」
町長の提案を断り、討伐証明にサインをしてもらう。
そして、町長に、
「後片付け・・お願い。まだ、息のある者は殺・・す。鎧はそちらで・・売ってね」
と指示を出し鉄の馬に乗って去って行く。
「堕落した・・騎士様を・・見るのは・・辛い・・次は勇者・・・かな。能力について・・調べないとね」
勇者討伐命令が出てから、わずか数日で、アリサによって勇者の本隊は壊滅した。
・・・
その頃、王宮では本営が設置され、参謀たちが作戦を練っていた。
「参謀長、勇者へはどの軍を当てる?」
「は、勇者に領主を殺害された。デーニッツ伯の残党が、一番槍を申し出ております」
「討伐可能か?」
「いえ、無理です。却下しましたが・・・露払いでもいいから、敵討ちをしたいと、伯の長女が申しております」
「うむ。許可しようぞ。その代り、手柄次第で、伯の本領は安堵、成人するまで、子息たちは王宮で育てようぞ」
「御意!」
勇者に対する作戦が本格的に始まった。
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