表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

第二話

「おい!追っ手を出したと言ったな~報告は来たか?」

「いえ、まだです・・・」


村の集会所にタムロしている面々は、何故剣聖がここまで慌てているかわからない。


途方にくれた。


「あの剣聖様、一体何が?」


「ああ~どうせ、追っ手の奴らもやられているに違いない~帰って来ないのだもん。どうする。こちらから依頼料の倍額を出せば・・いや、この業物の剣を差し出せば」


一人頭を抱えて悩んでいる剣聖は、名案を思いついた。


「そうだーー逃げればいいんだ。勇者パーティーを抜ければ、殺されはしないだろ。ハハハハーーーー」


「「「剣聖様が乱心された!!!」」」


剣聖は、ドアの取っ手に手を掛け手前に引いた。


ドアが開いた瞬間、剣聖のオデコに穴が開き。「パンーー」と音と共に、後頭部がウリがくだけたように散らばり、脳漿が飛び出て、頭の中を通り抜けた何かが、壁に激突し、穴が開いた。


「「「何が、起きた!」」」


一人が、ドアを閉めようと取っ手に手を取ったら、今度は耳に、また、何かが衝突し穴が開いた。


「「魔法を放たれてるぞ!」」


面々は、建物の中に、机などで障害物を作り、地面に伏せた。

この場合は正解な防御方法であるが・・



・・・・

「フフフフ、地面に釘付け・・ね」


一人の黒目黒髪の少女が、村の集会所の100メートル先の草むらから、木と鉄で出来た魔法杖を構えていた。

彼女はうつ伏せで寝転がり、杖の細い方を、敵方に向けている。

杖に対して、斜め45度に体の線がいくように寝転んでいる。


「ふう、64ちゃんの次は、カールさん・・ね」


木と鉄で出来た杖魔法袋にしまった後、また、大きな筒を取り出した。


「フランさん・・後方危ないから、横に10メートル以上離れて・・口を大きく開けて、耳を押さえて・・ね」


早駆けのフランはその姿勢の意味は分からないが、素直に言うことを聞いた。


「後方ヨシ。安全装置ーヨシ、引きがねは、夜露に霜がおりるごとしに、引くべし・・」

と少女が詠唱した後、爆音が響いた。


ズドーーーーンと筒からも火炎が見え。何かが、村の集会所に、激突し。村の集会場は、勇者パーティーとともに、藻屑と化した。


「ふう、次は、村の教会に張り付いているムシさんね・・」


少女は、魔法杖を取り出し、ゆっくりと教会に向かい。

女神教会近辺で、数十発のパンパンと音が響き、やがて、この村には勇者パーティーに所属する者はいなくなった・・


・・・

「私が村長でございます。有難うございました」


「さすがでございます。ミナゴロシのアリサ殿」

司祭は礼をする。


「う・・ん。ミナゴロシとか、物騒な名で呼ばないで欲しい・・」

「アリサでいいよ・・」


「アリサ殿、こちらが、依頼料でございます。村で長年集めた砂金でございます」

村長が、樽ごと、砂金を渡そうとしたが、アリサは手で制止して、受け取らないと示した。


「・・しかし」


「ううん・・もうすぐ・・勇者討伐命令が出る・・そこから報賞金もらうよ・・情報が欲しい・・勇者パーティーの位置と戦力・・」


「「「おおおおおおおお」」」


村人は歓声を上げた。長年の勇者パーティーの暴虐に耐えられなくなっていった。

村の若い女性を軒並みさらわれたら、男達は活力を失い。子供が生まれずに、村は衰退する。

そして、国が滅びる。

もう、国も限界だ。



・・この日、アリサが言ったとおり、勇者と勇者パーティーに対する討伐命令が王命で下された。





最後までお読み頂き有難うございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ