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第一話

今回から新シリーズになります。

「さあ、さあ、お立ち会い。レイナ姉ちゃんの勇者の国のお話だよ~」


とある中堅都市での広場で、子供達が宣伝をしていた。

ピクとアリサは反応した。「・・・・」無言で、会場に行く。


「さあ、さあ、お代はこちら、お気持ちで結構だよ。え、金貨?」

「お姉ちゃん、こっち、こっち、最前列に座ってよ」


パチパチパチ。

簡易な屋外会場には、ピンクブロンドの三つ編みの少女が、デンと立っていた。


「え~あたしはジブヤって街に住んでいて、小型ドラゴンで学園に通っていたんださ。高熱でうなされた後に、思い出したんだわさ。あたしは勇者の国のお貴族様だい」


観客はフンフンとうなって聞いている。


「勇者の国には、100人載って空を飛ぶドラゴンがいるのさ。それに、平民でもお貴族様が勝手に殺してはいけないんだい。あたしは大型の荷馬車に引かれて、こっちに来たんだい」


「おお、聖女様も、貨物馬車にひかれてこっちに来たって話聞いて事あるぜ。こりゃ、本物だ」


「そうさ。平民でも舞踏会に行けるのさ。そこで、老若男女が一晩中踊りくるうのさ。毎日がお祭りさね」


「へえ、そのまま逢い引きとかある?」


「そうよ、あたしはモテモテで、(ザギンデシース)ってね。飯食べに行かないと誘われすぎて、(チョベリバ)って、断りすぎてこの勇者語だけは転生後も覚えちまったぐらいさ」


「村祭りが毎日やってるって?スゲー・・」


「一体、勇者の国は何人いるのかい?」


「え~と、あたしの住んでいた勇者国の王都は、この街の、へ~と10倍ぐらい?」


「スゲー、20万人もいるのか?」


「勇者の国は毎日ホロホロ鳥が食べられるのか?」


「ああ、毎日さ。あたしは食べ飽きたね。だけど今は沢山たべたいさね」

「「「ハハハハハハ」」

ワイワイガヤガヤ賑やかに進んで行った。



「さあ、さあ、相談コーナーだよ。相談は5分中銅貨一枚、え、金貨の姉ちゃんはただでいいよ」


「これ・・遺跡でみつけた魔法杖・・勇者の国と関係あります・・か?」


アリサが[64ちゃん]と呼ぶ勇者の国の兵器をみせるが・・


「アハハハハ、笑ってごめんね。勇者の国には魔法がないんだ。あたしゃ、みたことないね」

「姉ちゃん。こらからレイナ姉ちゃんのお話聞いて勉強すればいいさ。気にすんなって」


「そうよ、転生者様なんて、珍しいんだから、知らなくて当然よ」


アリサは、相談が終わると静かに去った。「・・・・・」


☆夜

城壁近くの家

「母ちゃん。お薬だよ。今日ね。お貴族様の目にとまったんだ。「おとめげーむ」を知っているかって聞かれたんだよ。養子になれってさ。お母ちゃんをお医者に診せてくれるって。、上位貴族を捕まえたら、大きな家をくれるって。あたし、令嬢教育頑張るよ。あたしは良いピンクブロンドになる」


「レイナ、おやめ。バレたら、ゴホゴホ」

「姉ちゃんがいなくなっても僕達で母さんを守るよ。だから、姉ちゃん。お貴族様がんばって」


戸口で聞いていたアリサは

「・・・・・」無言で去った。9ミリちゃんをしまって宿に向かう。

「悪いピンクブロンド・じゃなさそうね・・まあ・・いい・・わ」


☆次の日昼


カーンカーンカーンと鐘が連続でなる。不吉な鐘の鳴り方。領主への叛逆や女神様への冒涜事件などが発生した鳴り方だ。領民は広場に向かう。


「聞け。者ども。転生者を偽る大逆罪が発生した。8の城壁区画の外れのレイナだ。弟、妹も加担、母親も転生者を偽って得た金で療養したので、同罪とする。家族全員火あぶりだ!」


「「何だって、レイナちゃんが、そんな大それたことを」」

小声で「許してやりなよ」とかチラホラするが、兵士の目を気にして誰も声を挙げられない。いや、上げられない。弁護したら、それだけで家族郎党火あぶりになるかもしれなからだ。


広場に薪が積まれる。はり付け台が、用意される。ブルブル震えると思われた家族だが、


「いいよ。レイナのためなら死ねる。お父ちゃんの所にいける。お前達、お父ちゃんの顔を覚えてないだろ。勇敢な兵士で魔王軍と戦ったのよ」


「姉ちゃん。いいさ。一緒に行こう」


「ハアアアアハハハハ、天転者を騙った者が女神様のおそばに行けるものか?」と準男爵が笑い飛ばす。

レイナは、「あたしが家族を騙してやったんだわさ。殺すならあたしだけにしな!」と叫ぶが


この準男爵、一代限りなので、レイナを養子にして、高位貴族と関係を持とうとした、貴族の子弟を教育するにはお金が掛かる。だから、「勇者学」の街一番の学者にレイナを見てもらったが、ニセモノと判断された。


「ほほ、念のため、先生に相談して良かった。しかし、チャンスをやろう。先生の質問に一つでも、答えられたら、正解一つにつき、一人解放しよう。これも女神様の慈悲だ。しかし、お前は、火あぶりだ。いいな、先生お願いします」




「望むところださ」レイナはある人物から勇者の国の事を聞いていた。ピンクブロンドと相まって偽転生者稼業を思いついた経緯がある。

知識だけなら・・何とかなるかも。


ローブをまとった中年の男性が、レイナに質問をする。


「(する。質問。何人、勇者の国、の村人)」


「え、外国語。そんなのズルイ」


「(違う、勇者の言葉。私、話す)

勇者語で質問され、レイナは一つも答えられない・・当てずっぽも出来ない。


うなだれるレイナ、もう、家族は救えない。


準男爵は宣言する。

「この者達は火あぶりの刑に処す。異議のある者はいないな。肯定なら沈黙を、否定なら声を挙げてこの者の弁護をせよ」


【異議・・あるわ・・(先生。滅茶苦茶な勇者語ね。アカデミーの質も落ちたものね)】


アリサが低い言葉で、会場に響くように、大陸共通語の後に、勇者語で宣言した。




最期まで読んで頂き有難うございます。もし、お気に召したならブクマ、評価を頂けたら、有難いです。励みになります。

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