第4話 S級雷帝剣・サンダーブレイド
「なんだって……大聖女メアだと!?」
「そうだ、この子が俺に力を与えてくれた。おかげで俺は最弱から最強となった。まだ途中だけどな」
口をパクパクさせ愕然となるレイク。
信じられないと汗をダラダラ流す。手足や膝もガクガク震えて戦慄さえしていた。
俺にびびってんな。
「どうする、レイク」
「く、くそぉぉぉぉぉぉおお!! おい、お前ら!! イーサンを徹底的にボコって大聖女を取り戻すぞ!!」
そういえば、元々はコイツ等が奪おうとしていたんだよな。最低なヤツ等だぜ。そのせいか、メアは怯えていた。
「大丈夫だ、メア。俺が絶対に守ってやる」
「イーサン……様」
鞘から雷帝剣『サンダーブレイド』を取り出す。つい、最近ボスモンスターを倒した時に入手したS級の武器。滅多に手に入らない魔剣クラスだ。
「そ、それは……まさか!!」
「そうだ、レイク。これは誰もが欲しがるS級の雷帝剣。これでお前を倒す!」
高速移動で一気にレイクの間合いに入り、俺は剣を全力で振るった。
「や、やめろぉぉぉおぉぉぉお!! うあああああああああああああああ……!!!」
刃がレイクの頭上に落ちていく――のだが。
『ポキッ……!』
S級の雷帝剣が折れた。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…………!!! 俺のS級の剣がああああああああああああああああああああああ……!!!」
だが、その直後だった。
折れた剣から稲妻が走って、レイクとその下僕のみ命中。狙った相手のみに攻撃を正確に命中させ、一気に倒した。
「……え!?」
俺が一番驚いていた。
そうか、以前に刃が折れた時にも同じ現象が発生していたんだ。通常の冒険はともかく、対人では何故か刃が折れる呪い(?)が掛かっているらしいが、助かったな。
メアを助けられた理由も同じだろうな。やっと分かったぞ。
「イーサン様、お強いです。さすが我が主様♪」
「抱きつくなって。……まあいいか」
地面にはレイクはじめ六人が丸焦げになって、プスプスと煙を上げていた。こりゃ、瀕死だな。しばらくは起き上がれない。まあ、そのうち優しいプリーストが回復してくれるだろ。たぶん。