第3話 SSS級パーティで仲間を募集
メアと共に『サザンクロス帝国』に戻り、俺はパーティメンバーを募った。
パーティは冒険の基本であり、帝国指定の南側にある『城門前』でやる必要があった。これに違反すると厳しく罰せられる。
到着すると、そこには十人ほどがパーティメンバーを募集しており、交渉や面接をしている者が多くいた。
「こんなところでパーティを募集するんですね」
「なんだ、メア。お前は知らなかったのか」
「箱入り娘でしから! えっへん!」
「無駄に大きな胸を張って誇らんでも。まあ、お前って大聖女だもんな」
適当な場所に座り、俺はその時を待った。
「イーサン様ぁん♡」
俺の膝に小さな頭を預けてくるメア。どうやら、甘えん坊らしい。
「なんだ、メア。俺とお前は恋人ではなかったはず。大胆だな」
「恋人ってなんです?」
「そこから説明しなきゃならんのか。面倒だからいいや……って」
目の前に人が来ていた。
俺のパーティに入りたそうに……って、違う!
「よぉ、イーサン。お前、こんなところでいっちょ前にパーティ募集なんてしやがって。最弱クソ剣士のお前が!? 笑わせんなって! ギャハハハハ!!」
周りのお仲間を馬鹿笑いする。
馬鹿にした時点で戦争だ。
俺は近くにあった『石』をひとつまみする。それをレイクの隣にいるメンバーに投げつけた。
「は? ……どぅあああああああああああああああああ……!!!!!」
ドォ~~~ンと激しくノックバック、というか飛翔していく男。
「なッ……」
「あー、すまんレイク。俺、強くなりすぎちまったらしい」
「イーサン、てめえ! 俺の仲間によくも!!」
顔を真っ赤にして怒り狂うレイク。
鞘から剣を抜いて襲い掛かってくる。
だが、俺はメアを抱きかかえてバックステップ。華麗に回避し、見事に宙を舞い――着地。周りの人達から拍手喝采を貰った。
「すげー!」「なんだあの人」「高レベルと見た」「いやまて……あのパーティよく見ると『SSS級』だぞ!?」「はぁ!? SSS級!?」「んなアホな」「大手ギルドでもSSS級はありえねーって」
ざわざわっと会場が騒然となる。
「ば、馬鹿な……イーサン、お前如きクソ剣士が『SSS級』のパーティだと!? なにがどうなってやがる!?」
「教えてやるかよ、バァ~カ。……と、言いたいところだがな」
俺はあえてレイクに真実を打ち明けた。