第10話 大聖女の奇跡
俺は容赦なく『シャインブレイド』を放つ――!
「コリーナ、これで終わりだああああああああああああ…………!!!!!」
「こっちにはこれがあるのよ! 『呪王の指輪』!!」
激しく衝突する白銀の光と黒く呪われた闇の光。あまりのパワーに激しく拮抗し、次第に大爆発を起こした。
「うああああああああ……!!」
「きゃあああああああ……!!」
――何も見えない。
なにがどうなった……?
コリーナは倒したのか?
次第に視界が戻り、俺は周囲を見渡す。周辺には何もなかった。跡形もなく、レイクとコリーナの姿だけなかった。
どうやら、近くにいた二人を消滅させてしまったようだな。俺の勝ちらしい。
「……勝ったぞ、アイリーン。君の仇は討った」
「ありがとうございます、先生」
「ああ、アイリーン……って、アイリーン!!?」
隣にはピンピンしているアイリーンがいた。下半身が吹っ飛び、即死だったアイリーンがなぜ!?
「そ、そんな幽霊を見たような顔で見ないで下さい」
「いや、幽霊だろ。お前……成仏してくれよ!!」
「あのですね、本物ですよ。本物」
「はぁ?」
アイリーンが生き返った理由が直ぐに分かった。メアが少し複雑そうな顔をしてやって来たからだ。
「……あはは……」
「おい、メア。お前、何をした」
「えっと……聖女の力で……」
「聖女の力? それは本当だろうけど、なんのスキルを使った!」
「そ、それは……言った方がいいですよね」
「当たり前だ。俺とお前の仲に隠し事はなしだ」
「えっち!」
「そういう約束だろ、メア」
「んもぉ、分かりました。説明します。スキル『リザレクション』です。蘇生魔法ですよ~」
あー、そういう事。
死者を蘇らせる最高峰の大魔法。
その力は大聖女や大賢者クラスでないと扱えないまさに奇跡だ。コイツは、何気に俺とパーティ組んで高レベルだから、それくらい余裕なわけだ。
「アイリーンの下半身が吹っ飛んだ時はマジで血の気が引いたし、確実に死んだと思ったぞ……」
「わたしだってそう思いました。でも、願ったんです。アイリーン様を助けて欲しいって……神様に」
「神様ねぇ」
「あぁッ! 信じる者は救われるんですよぉ!!」
そんなムキになられてもな。
俺は口にはしないが無神論者なの。
「先生とメアさん、本当にご心配おかけしました」
「それは違う。君はメアを守ってくれただろう。お礼を言うのは俺の方だ。メアを守ってくれてありがとう。感謝している」
そうだ、それが紛れもない事実。
アイリーンは身をもってメアを助けてくれた。これは仲間を思っていなければできない行動だ。アイリーンは本当に優しい子なんだ。
「わたしからもお礼を申し上げます、アイリーン様」
「そ、そんな。二人とも畏まらないで下さい。私は二人のお役に立ちたかっただけですから」
純粋に微笑むアイリーン。
俺はこの子を仲間にして本当に良かったと、心の底から思った。これからも大切にしよう。
「お礼と言ってはなんだが、アイリーン、君を世界一の魔法使いにしてやるさ。俺の『パーティボーナス』はすげぇぞ。直ぐに高レベルになれる」
「ほ、本当ですか! それは楽しみですっ」
こうして俺、メア、アイリーンの不思議なパーティが結成された。でも……あともう一人くらい欲しいかな。
とにかく、新たな門出だ。




