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恋色の蝶々 第2章  作者: 峰金良介
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1話 クラス替え

 新浜市に向かう数日前、修了式を迎えた御咲高校では、春風希を含めて進級する生徒たちのクラス発表が行われていた。

「じゃあ全員の2年次のクラスが書いてある紙回すから、各自確認してメモしとけよ~」

クラス担任がそう言い、2年次のクラス発表が始まった。

「やっぱりお前も同じクラスか!」

「え~また同じクラス~?」

「いいじゃねえかよぉ」

2年次のクラスが書かれてある紙が回され始めると、当然のように教室内が騒がしくなる。それも仕方ない、御咲高校では2年から3年に進級する際のクラス替えはほぼない、つまり今回で残りの2年間過ごすクラスが決まってしまうのだ。

「ねえねえ春風希、どのクラスになるかな?」

学年末テスト後にあった席替えで自分の後ろの席になっていた美波がそう話しかけてくる。

「自分は国立文系クラスだな。レベル高いAクラスになるかは微妙だけど」

「え~じゃあ私と同じクラスにはならなそうだね~」

「そりゃ美波国立理系志望だしな」

「そうそう」

2年次の志望進路別のクラスは、国立理系が1クラス、私立理系が1クラス、国立文系が2クラス、私立文系か就職のクラスが3クラスの合計7クラスで、各クラスごとに1から7までクラス番号が割り振られるのだが、毎年そこはランダムらしい。

「教室が隣同士だったらいいね?」

「もしそうでも授業違うから会う機会減ることないか?」

「まあそうなんだけどね、って紙回ってきたね」

「ああ、じゃあ確認してみるか」

前方から回ってきたクラス発表の紙を手に取った。

「まずは……」

1年生の間に関わった友達のクラスを確認してみる。大田さんと青木さんは、私立文系or就職クラスである6組のようだ。宮前さんは私立理系クラスである1組、加藤さんは、国立文系Aクラスである3組となっていた。

「分かってはいたけどばらけたなあ……」

そうつぶやくと、美波が引っ張るようにして紙を自分と美波の席の間の見やすい位置に持っていく。

「あ~っ、隣にならなかったね……」

「まあしゃあないだろ、こればっかりは運だし」

美波のクラスは国立理系クラスである4組だったが、僕は国立文系Bクラスである2組だ。

「そうだね、仕方ないね」

「ほら、後ろの人にも回してあげないと」

そう美波に促すと、美波は紙を後ろに回した。

 発表前は席替え時にも似たドキドキ感があったクラス発表だったが、一旦明かされてみると、そのドキドキ感はどこかへ行ってしまい、割と予想通りだった結果に安堵するような物足りなく感じるような複雑な感情だけが胸の中には残っていた。




「よーし確認終わったな?クラス担任については1学期始業式で発表になるから、それまでのお楽しみってことで。じゃあホームルーム終わろうかな!」

担任がそう言うと、まだクラス発表時の高揚感が消えない中、修了式後のホームルームは幕を閉じたのだった。


[2話Part1に続く]

1話の中に名前が出てくる大田さんと青木さんについては、作中での描写がほぼないです。「誰よそいつ」ってなった方は、第1章4話Part8をお読みください(宣伝)。




このことについては活動報告でもお知らせするのですが、第1章では1話ごとにいくつかのPartに分けていましたが、執筆前に今後のことを数時間かけて考えたところ、基本は1Part完結で、必要に応じてPart数を増やすという方針に決めました。なので〇話Part□となっているものと△話だけのものが混在して見にくくなるかもしれませんがご了承ください。

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