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つれづれ野花  作者: あぐりの
えんこい
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えんこい6

正直ホッとした。

手紙を出した事に後悔してたけど、私の心配をよそに緑川は喜んでくれていたみたいだった。

それに、声の感じからは、今までの緑川と同じ様に感じた事にもだ。厳しい言い方だけど、甲子園に出れなかったのは自業自得。なんだけど、やっぱりショックだろうなぁとか、勝手にそんな心配もしていた。

「嬉しくて勝手に送っちゃって、なんか、ごめんね。」

私が気を遣って言うと、

「えー?いやマジで嬉しかったし!」

と、緑川から明るい声が返って来た。…良かった。何か元気そう。

「てゆーか、俺こそ返事書かずにいて悪かったなーって。」

ん?なんか、緑川が優しく感じる…なんだろ。なんか、なんてゆーか、落ち着かない。そんな事言う人だったっけ?

「え、別にいーよ。私こそ返事遅いし。」

私が申し訳無さそうに言うと、

「本当だよ!お前全っ然、マメじゃねーよな‼︎」

と、キレられた。あ、何だろ、この方が緑川っぽい。なんか嬉しくなって、思わず笑ってしまった。

「お前ねー笑うとこじゃねーから。」

「ご、ごめん。」

「俺結構楽しみに待ってたんだけどー」

緑川の恨み節は止まることが無かった。私は申し訳無かったなーと思いながらも、この方が私の知ってる緑川だって思うと嬉しかった。

「今日さ、返事出したから、今度は早く書いてよ!」

私は返事を書いてくれた事が嬉しくて、

「え?書いてくれたの?ありがとー」

と言うと、

「ありがとー!じゃなくて!早く返事出してって言ってんの!」

と、緑川は焦った風に言った。私は、

「はい。」

と、素直に応えた。すると、

「はい。だって!素直‼︎」

と、緑川とは違う声が聞こえて来た。

「あー!うっせー!お前らあっち行って‼︎」

「⁇⁇」

私が訳が分からずにいると、

「ごめんごめん。」

と緑川は言って、

「チームのやつらが邪魔して来た。」

と説明してくれた。チームの人…って、甲子園出てた人とかって事?

「今のはピッチャーの奴とショートの奴。隣で電話してたんだよ。」

緑川はそう言って、

「そろそろ切らないとだ。また電話していい?」

と言った。ドキっとした。

今日はたまたまカノと電話してた時だったから良かったけど、私は普段はもっと早くに寝てしまっているのだ。親もこの時間はもう寝てる事が多いから、電話は嬉しいけど、対策を練らないといけなかった。何となく、親に緑川と電話している事を知られたく無かった。

そこで私が考えた方法は、高2の秋位から流行り出した、ポケベルだった。私も3年に入ってから、カノ達と勉強の事とかで気楽に連絡取り合いたいと親に頼んで持つ様になった。因みにカノやハナエちゃんは2年の冬には持っていたから、私はかなり遅い方だったと思う。更に言えば、夏目くんも部活終わるまでは持たないって言っていた。だから私も周りが持っていても、そんなに欲しいとは思っていなかった。

私が持ちたいと思ったのは、カノが、

「さわちゃんが1番宿題とか聞きやすいのに、連絡取るの大変。だから、さわちゃんも持ってよ。」

とずっと言われていたからだった。

2年の時はクラスが違ったから必要性を感じなかったけど、3年で同じクラスになってからは、確かにあると便利だなぁと思ったのだった。


「緑川はポケベル持ってるの?」

私が聞くと、

「お前‼︎オレ、前の手紙にポケベルの番号書いたじゃん!」

と、お怒りの返事が来た。え。そーだっけ…大量のプリクラが印象強過ぎて覚えが無かった。

「マジかよー!お前本当に…」

また緑川は恨み節を始めたが、

「分かった。とりあえず電話前にポケベルに連絡するから、すぐ返せよ。」

と怒ったまま電話を切った。

流石に申し訳無くなって、以前貰った手紙を探して読み返すと、PSってあって、ポケベルの番号が書いてあった。…ごめん。

早速、

「いろいろごめんなさい」

と送ると、物凄い速さで、

「本当だよ‼︎‼︎」

と返って来た。

緑川、返信早っ!私はそんなに早く返せないので、

「がんばります」

と返すのが精一杯だった。もうちょっと早く返せる様に、練習しよう…

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