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つれづれ野花  作者: あぐりの
ながこい
9/190

ながこい 5

そして、やっぱり修学旅行のうちわの事だ。

班は各クラス男子3、女子3の6班ずつ構成されていた。自由時間の班行動の出発の順番は、1組の男子からだった。ジュンペイは1組で私は2組で、先生からチェックシートを受け取ってからのスタートだったから、ジュンペイの班とは時間差があった。

同じうちわを持っていた子に聞いたら、お店は宿のすぐ近くだった。どの班も必ず通るお店だから、ジュンペイ達が立ち寄った頃はそのちゃん達も通っているはずだ。

あの時間は本当に蒸し暑くて、出発前の集合している時にも、みんなで暑い暑いと話している程だったから、私達だけが暑がっていた訳では無かった。

何が言いたいかと言うと、ジュンペイがうちわをゲットしてから私に貸してくれるまでに、そのちゃんを含む何人もの女子とすれ違って、多分、暑いねーなんて会話くらいあっただろうけど、私にうちわを貸してくれた。と言う事だ。

あのうちわは、商品を買った人へのサービスだったのだが、そのちゃんがうちわを持っていた様子も無かった。

それに、シイやミオも暑いって話していたのに、私に貸してくれた。たまたま渡しやすい場所に私がいたのかもしれないけど。

それにタツヤが、オレには貸してくれなかったのに!って言った後の焦った感じ…思い違いでは無いと思う。

そう考えて行くと、やっぱり、ミオやシイや他の女子に比べると、ちょっと違う様に思えてくるのだ。

そのちゃんは、やっぱり3年の頃の事があるし、普段2人がどんな風に話しているのかが分からないので、判断しにくいのだった。


そのちゃんはあまりクラスから出歩くタイプじゃないし、5年の頃位から、放課後もあまり一緒に遊ぶ事がなくなっていた。私は相変わらずシイと遊んでいた。でも、ケンカとか仲が悪くなったとかではなくて、帰りとかは、ミオとシイと私とそのちゃんは方向が同じだから、良く4人で一緒に帰っていた。でも、6年でそのちゃんが役員になると、役員会や鍵チェックとかで一緒に帰る回数も減って、自然とそうなっていった。家の近いミオとは、変わらず遊んでいたようだったから、もしかしたらミオはそのちゃんの好きな人は知っていたのかもしれない。


そんな訳で、ジュンペイの好きな人は、私の中では、ジュンペイを好きかもしれないシイには悪いけど、そのちゃんか私の2択になっていた。

3年の頃に、そのちゃんだって知った時は、まだジュンペイを好きになったばかりだったしショックは無かった。だけど今はもう、ここ2年くらい、私はずっとジュンペイが好きだったから、そのちゃん、って知ったら、もしかしたら私かも⁇って思いがある分、ショックは大きい。

だから今、いざジュンペイの好きな人を聞ける!と言う数奇なチャンスにも、怯えてしまう自分がいるのだった。

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