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つれづれ野花  作者: あぐりの
かたこい
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かたこい 16

3学期が始まってからも、夏目くんは相変わらず朝部を頑張っていて、テスト期間中も、

「朝のリズムを崩したくないから。」

と言って朝の時間はかえなかった。だから私も夏目くんとの朝の時間を過ごすために頑張っていた。まぁ、たまに丹波がいたり工業高校生がいたりで、毎日では無かったけど、2人でいれた時間の方が遥かに超えていたから私は幸せだった。


2月に入って、朝の寒さも厳しくなって来たある日の朝だった。いつもの電車に乗り換えると、夏目くんがいた。私はビックリした。一度だけこの車両に乗っていた事があったけど、あの時は丹波もいたからなんとかなった。けど、今日は私だけだし、ビックリで、動揺してしまった。そんな私を見て夏目くんは、

「あはは!おはよ!」

と、笑いながら言った。私も、おはよ。と言いながらどこに立とうか悩みつつ、夏目くんの近くのバーに捕まって立つ事にした。憧れの電車内だ〜!

「珍しいね、この車両。」

と私はドキドキニヤニヤを抑えつつ聞くと、

「そうだっけ?」

と夏目くんは思い返して、

「今日は南高のヤツと一緒だったからここになったんだ。」

と言った。私は、ナルホド。と思った。南高は夏目くんの乗り換え駅からちょっと乗った駅が最寄り駅で、確かにこの車両に乗ると便利そうだった。因みにシイは南高に通っていた。

高校へ向かう方面は真逆だけど、駅は同じだったから、私達はお互いの自転車のカゴに手紙を入れ合って近況報告をしていた。広告の裏に殴り書きみたいな手紙だったけど、今まであまりしなかった恋バナなんかも、良くしていた。手紙だと意外にも何でも話せた。シイの最近の内容は、好きな先輩の卒業が真近で寂しいって事だった。

そして私はと言えば、もちろん夏目くんの話が中心で、今朝の事も手紙に書く予定だ。


そんな私達の電車での会話は、寒さ対策についてだった。

夏目くんも私も駅までは自転車で、この時期は手と耳がヤバイって話だった。

「ゴム手にしたら冷気感じないんじゃないかと思って一回やったら、ブレーキかける時手が滑って力が入らなかった。」

とか、

「耳まで帽子でカバーしてたらクラクション聞こえなくて轢かれそうになった。」

なんて話を夏目くんがしてくれて、思っていたより楽しい会話が出来て幸せだった。

「何かしてる?」

と夏目くんに聞かれて、

「背中温めるといいって聞いたから、カイロを首下と腰に貼って、手袋にも1つずつ入れてる。」

と私は話した。

「カイロかー!そしたら今熱いんじゃない?」

と、夏目くんに心配されて、

「うん。今めっちゃ熱い」

と、私は笑って言った。

夏目くんは、

「ダメじゃん!」

と言って笑った。

ヤバイ、何これ、幸せ過ぎなんだけど‼︎


駅に着くと、電車の温かさとの差と、風が吹いて余計に寒く感じた。私達は、

「寒いっ‼︎」

と言いながら階段まで急いだ。改札を出ていつもの階段に行くと、下から風が冷たく吹いて来た。

「今はカイロがパワー発揮だね!」

夏目くんは寒がりながら私に言った。

「手袋用で小さいけど。」

と私は言って、夏目くんに小さいカイロを2つ差し出した。

「いーの?じゃあ1つもらう。」

夏目くんは1つ受け取って、

「あったかー!ありがとう〜」

と笑顔で言った。私がこの笑顔にやられたのは言うまでも無い(笑)寒いのに、私の顔は熱くなっていた。

いつもより長い2人の時間。最高に幸せだった。


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