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つれづれ野花  作者: あぐりの
かたこい
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かたこい 10

その日の午後は、6限目が大掃除だった。私は運悪く職員室前の外掃除になってしまった。今日は本当についてない…

職員室前だからサボれないし、天気も良くないから寒いし、職員室と学習室の間にあるから、風の吹き抜けでより寒さを増していた。枯れ草を集めながら、早く終わらせて教室帰ろうと、みんなで決めた。その成果が実り、職員室にいた担任に、もう終わっていいぞー!と言ってもらえた。

みんなで片付けをして帰ろうとした時、学習室の窓が開いて、

「もう終わっていいのー?」

と聞かれた。夏目くんだった。私はびっくりだった。掃除場所近かったんだ!気付かなかったー!黙々と掃除し過ぎたー‼︎

「俺らは寒過ぎだから帰っていいって言われただけー‼︎」

と、男子が答えると、

「まじかー!」

と夏目くんは言って、まだだってー!と学習室の仲間に言った。中から、えー!と言う声が聞こえて来た。

私は夏目くんと話せるチャンスだったけど、寒さには勝てず、みんなと一緒に帰る事にした。

教室に戻ってヒーターに当たりたいね!ってみんなで話しながら帰って来たら、なんと窓全開中だった…掃除中だから、そっか…これなら夏目くんに話かければ良かった…本当に今日はついてない…


教室が温まるのを待つ間に、自販機に温かいお茶を買いに行く事にした。同じ外掃除をしていた友達と、掃除の片付けをしてる人達の中を歩いていると、掃除終わりの夏目くんが前から歩いて来るのが見えた。

私は話しかけたいなぁと思いながらも、みんなといる時に話す事じゃないし、朝の時間をみんなに知られたくない気持ちもあって、結局気付かないふり作戦にしてしまった。私の良くやる手法で、その後いつも反省することになる作戦だ。分かってるけど、やってしまう自分が嫌だ…


案の定落ち込みながら教室へと戻る階段を登ろうとしていると、後ろから、

「ねぇねぇ!」

と、背中をトントンされた。振り返ると、夏目くんだった。一緒にいた友達は気付かずに階段を上っていた。私は思わぬチャンスと、夏目くんから声をかけてくれた事に、テンパってしまった。

「めっちゃ防寒してるね!」

夏目くんは私のスタイルを見て笑って言った。私も友達も外掃除スタイルのままドリンクを買いに行っていたのだ。私は恥ずかしさと嬉しさで顔が熱くなるのが分かった。そして、それを隠すかの様にマフラーを弄りながら、

「あそこ、風も抜けて寒過ぎなんだもん。」

と答えると、

「確かにね〜みんな防寒凄かったもんね。俺のニット帽貸してあげれば良かったね!」

夏目くんの無意識の優しさに、私は必要以上に嬉しくてドキドキしっぱなしだった。夏目くんには他意はないって分かってるけど、それでもやっぱり嬉しくなってしまうのだった。

「朝話してくれたら貸せたのに…って、朝別だったっけかー」

と、夏目くんは一人問答をして、

「明日も朝来る?」

と聞いてきた。私はドキドキしながら、

「う、うん、そのつもり。」

と答えた。夏目くんは、

「そっか!じゃあまた明日ね。」

と言って、階段を軽快に登って行った。

私はドキドキしながらその姿を見送っていた。最後の最後に、いい事あった!

私はニヤケ顔を抑えるために、ゆっくり階段を登って行った。

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