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つれづれ野花  作者: あぐりの
うえこい
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うえこい 26

それから、やっぱり兄からは何も言われなかった。そんなに会話のある兄妹ではないから、そうだろうなとは思っていた。私も家で話題にされたくない気持ちもあるから助かってはいた。

でも、私は気になっている事があって、カケラでもいいから話して欲しかった。気になっている事、それは、なぜ私が大変なのかって事!何が!大変なの⁈こんなに干渉し合わない楽な妹の、何が大変なんだー!そして、みなさんがなぜ納得しているのかも気になる。…ダイキも私のこと大変だと思ってるのかな。わがまま言っちゃってるかな…気をつけよう。

とは言え、大変の意味とゆーか、根本的な問題が理解出来てないから、対策の打ちようが無いんだよね。兄に聞けたら一番早いんだけど、状況的に難しい…ダイキには聞けるけど、すぐには聞けないし、ちょっと怖いな…

私は目の前でゴロンとして漫画を読んでる兄に聞いてみようかと、ちょっと思い始めた。今ならちょうど母が近所に届け物していて居ない。チャンスと言えばチャンス。でも、もしかしたら、もう帰って来るかな。長話を夜にはしないかー。

なんて考えてたら、やっぱり母が帰って来た。あー危なかった。


「さわちゃん、誰かとお付き合いしてるの?」

と帰って来た母は部屋に入るなり私に言った。私は、いきなりの事にびっくりして母を見た。兄も母を見ていた。けど、すぐにまた漫画を読み始めた。

「谷川さんが見たって。歩いてるの。」

谷川さんとは、さっき母が届け物をしに行ったおばちゃんで、私も会えば話をする、近所では仲の良い付き合いの方だ。谷川さんが、楽しげに話す姿が容易に浮かぶ。見られたとしても、車で通りすがりのくらいだと思う。

「似た人じゃ無いの。」

私は読んでいた本に視線を戻して言った。動揺を抑えなきゃ。

「似た人って…年上っぽかったって言ってたけど、ジンくんのお友達じゃないの?ジンくん何か知らないの?」

兄は面倒くさそうに、

「知らない。」

と漫画を読んだままで言った。兄は巻き込まれてたくないのか、庇ってくれているのか、とりあえず黙っていてくれた。

「さわちゃん、中学生なんだから、中学生らしくしてね。」

母は私にため息つきながら言った。私は母のこう言う所は嫌いだった。らしい、って何?中学生がどんな付き合い方してるかなんて知らないのに。

母は多分、箱入り娘だったんだと思う。母方の祖父母の家は裕福だし、三人兄妹の末っ子長女で、かなり大事にされて来た人だ。大学も私立の女子大、いわゆるお嬢大学で、あまり自由奔放に遊ぶタイプじゃなさそうだから、恋愛とかそんなにして来てないと思う。父ともお見合い結婚だし。だから、イメージとかが先行してしまう。私は、ちょっとイラっとしてしまって、

「何、らしいって。」

と言った。

「まともなお付き合いをしてって言ってるの。」

母はまたため息をついて言った。

「まともとか…誰基準なわけ?」

私は出来るだけ冷静に話した。

「何、その言い方。」

母は思わぬ反抗に戸惑っているようだった。

「自分の娘の選んだ人くらい、どんな人か分かるでしょ。」

私はそう言って、おやすみなさい。と言って、部屋に行った。

あー、やっぱり母は面倒くさい。心配してくれる気持ちは分かる。でも、あれは違う。なんで喜んでくれないんだろ。そしたら話せるのに。嘘ついて出かけなくてもいいのに。あー、面倒だな。明日の朝とか。もうすぐ週末なのに。ダイキに会える週末なのに。…気が重い…

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