うえこい 11
キスは、今までと違った。時間も長くて、唇と唇が重なるようなキスだった。
私はもう何も考えれなくて、ダイキ(と呼ぶのは慣れないけど)に身を委ねていた。
しばらくするとダイキは私から離れて、
「ごめん、しちゃった。」
と言って笑った。ちょっと顔が赤い気がする。私はもっと赤いと思うけどっ!私は恥ずかしくて、ダイキにギュっと抱きついて、ダイキの胸に顔を埋めた。ダイキもギュっとしてくれて、頭をなでなでしてくれた。私は幸せな気持ちでいっぱいになった。
しばらくそうしていると、リビングから電話の音が聞こえた。
「…電話、鳴ってるよ?」
ダイキに行く気配がないので、私はそう言ってみた。
「うん。…もうちょっとこうしていたい。」
とダイキが言うので、私はちょっと嬉しくなった。電話は切れてしまった。
と思ったら、また鳴り出した。流石にダイキも出る気になって、ちょっと出て来る。と言ってリビングへ向かった。
私は急に力が抜けて、床に座りこんでしまった。
テラともジュンペイとも違うちょっと大人な感じのキス。夢か現実か、まだ私には分別がつけれなかった。そんな感じで、ポーッとしていると、
「どしたの?大丈夫?」
と、ダイキがちょっと笑いながら戻って来た。座りこんでる私の横に座って、
「も一回、していい?」
と聞いて、私がボンっと顔が赤くなると、ふっと笑って、肩に手を回してグッと引き寄せ、またキスをした。
2回目のキスも、私には余裕が無くて流れに任せるしか出来なかった。ダイキは1回目は立っていて、身長差があってちょっと辛そうだったけど、2回目は座っているから大丈夫そうだった。
なのでか、さっきより長かった。私は息をいつしていいか分からなくて、ずっと止めていたから、ちょっと苦しくなってきた。と思い始めた頃、ダイキが口を離して、
「息、いつしたらいいか分かんねー」
と笑った。私も、うん。と言って笑った。
しばらく2人で余韻に浸っていると、ダイキが、あ。と言った。
「忘れてた。さっき兄貴から電話で、送れないって言われたんだった。」
私の帰りを送ってくれる予定でいてくれたみたいだった。ダイキは2人乗りで自転車で駅に送ってくれると言ってくれたが、
「歩いて帰ろうかなぁ。」
と私が言うと、
「家まで⁇」
とダイキが驚いた。
行きの道のりの途中、私の家のすぐ近くを通って来ていた。そのちゃんの家やミオの家は通り道にあった。更に言うと、ダイキの家の近くに大きな公園があって、4年生の遠足で歩いて来た事があった。だから多分4キロくらいだと思う。今から出れば4時半前には余裕で帰れそう。そうダイキに伝えると、
「じゃあ、送ってく。散歩しよ。」
と言ってくれた。私は探険気分になっていたけど、まだ一緒にいれるのが素直に嬉しかった。
私達は準備をして出掛ける事にした。時間は3時を少し過ぎた頃だった。部屋を出る時、
「忘れ物無い?」
と聞かれ、部屋を見渡して、
「うん、大丈夫そう。」
と言うと、
「じゃあ、忘れないように、もう一回。」
と言って、3回目のキスをした。
不意打ちのキスは、びっくりしたけど、嬉しかった。終わりにギューッとしてくれた。




