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つれづれ野花  作者: あぐりの
うえこい
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うえこい 4

雪合戦で疲れた私とチエちゃんとかなちゃんは、先に旅館に戻って休む事にした。岩井さん達は、もうちょっと滑って来ると言って、リフトに乗って上級者コースへ向かって行った。

旅館へ着くと、4時半だった。着替えて荷物をまとめて休んでいると、チエちゃんが、

「私、畑中さんを好きになったかも〜」

とカミングアウトし出した。私とかなちゃんは、

「やっぱりね。」

と言って笑った。それくらい、2人は仲が良かった。

「帰りのバス、隣に座りたいな〜」

「チエちゃんは積極的だねぇ」

「だって、もう会えないかもしれないじゃん!」

「H高だから、会おうと思えば会えるでしょ。」

「うちに名簿あると思うから、帰ったら電話とか調べてあげるよ。」

「さわちゃーん!ありがとう〜」

私とかなちゃんは、目がハートなチエちゃんに、

「楽しい旅行になって良かったね。」

と言って笑った。


バスに乗る時間が近づいて来たので、私達はトイレを済ませておく事にした。しかし、トイレを済ませて戻ると、もうバスに乗り始めていた。チエちゃんが、

「予定時間より早くない?えーん、隣に座れないかも〜」

と残念がった。まぁ、乗ってみようよ。となだめて乗ると、運転手さんが、

「1番後ろで3人座れそうだよ。」

と教えてくれた。前の方の席はもう埋まっていて、父は知らないおじさんと仲良くなったのか、2人で座って談笑していた。引率ってのは、すっかり忘れている様だった。まぁいいけど。

私が1番後ろの席に行くと、両サイドに先客がいた。なんと、畑中さんと岩井さんだった。2人は、ゴロンと寝ようと思って後ろの席に座っていたらしい。

深夜バスは普通より前後の間隔が空いているので、リクライニングがしやすいのだが、1番後ろの席は、人が後ろにいない分、より倒しやすいのだ。

私達が来ると分かって、2人は、どうぞ、と席に置いていた荷物を移動してくれた。通路を歩いて来た順が私が一番だったので、チエちゃんの為に畑中さん側では無く、岩井さんの隣に座る事にした。チエちゃんは嬉しそうに、

「隣いいですか?」

と言って、畑中さんの隣に座り、かなちゃんは私とチエちゃんの間に座った。かなちゃんは私に、

「チエちゃん、めっちゃ嬉しそう!」

とコソッと言った。私もうんうん。と頷いたが、実はチエちゃんだけじゃないんだよ、かなちゃん。私も隣が岩井さんでドキドキなんだよっ!と心の中で呟いた。


席は、前後は余裕があるけど横は普通なので、私の左側は緊張していた。

「狭くない?」

と、岩井さんは私に聞いた。

「大丈夫です。岩井さん、私に気にせず座って下さいね。」

と私は言った。私はチエちゃんみたいに細くはないけど太くもないので、余裕がそれなりにはあった。

「さわちゃん、いびきと寝っぺに気をつけてね〜」

と、岩井さんの前の席の羽鳥さんが振り向いて言った。

「寝っぺ⁇」

と私が聞くと、

「岩井、寝ながらオナラ出来るから(笑)」

と私の前の小山さんが答えてくれた。

「器用なんですね。」

私は笑ってしまった。隣のかなちゃんも聞こえたようで、

「こっちにパタパタしないでね。」

と言ってきたので、私はまた笑ってしまった。

しばらく前後で話していたが、

「間も無く、消灯させて頂きます。歩行灯のみの点灯になりますので、お手元のサイドライトをご利用下さい。」

とのアナウンスが流れたので、私達の会話は終わりになった。

「なお、途中サービスエリアに2箇所止まりますが、トイレ休憩は初めのみになり、2回目は運転手の交替のため、バスから降りる事は出来ません。」

との注意があり、消灯となった。

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