表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
つれづれ野花  作者: あぐりの
うえこい
36/190

うえこい 3

最終日は、チェックアウトの準備を済ませてからスキーへ出掛けた。帰りのバスの時刻は7時だったので、夕方まで滑れる予定だ。

私はチエちゃんとかなちゃんと3人で、昨日までとは違う、中級コースに行ってみることにした。初級コースのリフトに乗って上まで行き、中級コースのリフトに乗る。今までとは違う景色にちょっとドキドキした。

「結構傾斜あるね。」

「そうだね、ゆっくり滑ろうね。」

と、一緒にリフトに座ったチエちゃんと話しながら乗っていると、

「あれ?畑中さんじゃない?」

とチエちゃんが指差した。私には見ても良く分からなかった。

「昨日、ウェアの話してたんだー」

とチエちゃんは嬉しそうに話した。

「なんか、楽しそうだったよね、チエちゃんと畑中さん。」

私がちょっと意地悪っぽく言うと、

「えへへ〜」

とチエちゃんは照れた。私もなんだか楽しくなってきた。


リフトを降りてかなちゃんと合流して、3人でどう滑るか話した。上級者コースから降りて来る人の邪魔にならないように、真ん中より隅側を滑ることにした。

このスキー場は3面あって、それぞれ上から上級、中級、一般コースとなっていた。上級コースのリフトで1番上まで行くと、3面のどのコースから滑るか選べる。中級コースはそれぞれ独立していて行き来出来ない様に樹々があるのだが、1番下の一般コースでまた3面合流する。

私達は昨日までは一般コースで滑っていたので、1番デコボコの少ない中級コースを選んだ。父や兄達は1番難しいコースを選んでいたので、全然会わなかった。

この中級コースは私達には楽しくて、何回も滑っていた。お昼を食べた後は、ちょっと難しい中級コースに行ってみようとなった。リフトに乗りながら見ていると、やっぱりちょっとデコボコが多くて、転んでる人がたくさんいた。

実際滑っていると、やっぱり難しくて、3人とも転びまくってしまった。

「やっぱり難しいねー」

「ホント、転び疲れちゃったよ〜」

「ちょっと休んで、もう一回行く?」

私達はリフト脇の木の近くに板を立てて、雪だるま作りをし始めた。かなちゃんが大きな雪玉を作ってくれたので、私は頭になる雪玉を作ることにした。チエちゃんはかなちゃんと、顔のパーツを探しに行った。雪玉は結構大変で、かなちゃんはよくあんなに大きな雪玉を作れたなーと思いながら頑張っていると、

「雪だるまー?」

と、後ろから声が聞こえた。私は誰か分からず、⁇となっていると、

「俺俺〜」

と、ゴーグル外して、羽鳥さんが笑いながら近づいてきた。

「上級コースを滑ってるんじゃないんですか?」

と、私が聞くと、

「流石に疲れて来ちゃって。岩井と畑中も降りて来るよーほら。」

と見ると、こっちの方に滑って来る人が2人見えた。ブルーのウェアはさっきチエちゃんが言ってた人っぽいから、畑中さんらしかった。

降りて来た2人も近づいてきて、

「羽鳥、ナンパしてんのかと思った。」

と、岩井さんが言うと、

「ナンパなんかしねーよ!」

と、羽鳥さんが笑って答えた。畑中さんも来て、

「さわちゃん1人だけ?チエちゃんとかなちゃんは?」

と、私に聞いた。

「今奥で顔パーツ探しに行ってます。」

と答えると、雪玉を見て、

「あ、雪だるまね。」

と、笑った。

小学時代から同級生とかは「おまえ」呼ばわりが普通で、名前を呼ばれても呼び捨てばかりだったけど、兄の友達はちゃん付けで呼んでくれた。最も、初めは「妹ちゃん」だったのだけど、昨日から「さわちゃん」になった。仲良くなれたようで、ちょっと嬉しかった。


畑中さんが、チエちゃんとかなちゃんの様子を見に行ってくれた。その間、私達3人は頭の雪玉を胴体に乗せようと頑張っていた。とは言え、羽鳥さんと岩井さんは背が高いので、背の低い私はバランスが取れなくて、応援していただけだったけど。

2人が頑張って乗せてくれてしばらくしたら、顔パーツ組が帰って来た。みんなで雪だるまを完成させた。すると羽鳥さんが、

「せっかくだから、雪合戦しようよ!」

と言い出した。せっかくってなんだ?と言う岩井さんのツッコミが入りつつも、チーム分けをして雪合戦をする事になった。羽鳥・チエ・かなチームと、畑中・岩井・私チームに決まった。

人の来ない木の辺りに移動して、陣地を決め、相手の陣地にある枝を倒した方が勝ちと決まった。5分間雪玉作りと作戦会議をして、雪合戦が始まった。

正直、想像していた雪合戦と違って、かなり白熱した戦いになった。岩井さんと羽鳥さんはハンドボール部なので、投げる雪玉のスピードが速くて恐ろしかった。もちろん、女子には向けられる事は無かったが、流れ玉が当たないように気をつけた。私の任務は、相手の陣地にある枝を倒す事だった。

見つからないように徐々に相手陣地に近付き、もう少し、と言う所で羽鳥さんに見つかってしまった。

「かなちゃん!そこにさわちゃんが‼︎」

と言って、私に向けて雪玉を投げて、あっ!と言った。岩井さんに投げていた様な玉が私に飛んできたのだ。私は咄嗟にしゃがんで回避した。頭の上で、ヒュンッと音がして、バシッと木に当たる音が後から聞こえた。

「うわー!さわちゃんごめんっ!」

と謝る羽鳥さんに、岩井さんと畑中さんの集中攻撃が始まった。かなちゃんとチエちゃんは、羽鳥さんの援護をしたので、私は悠々と枝を倒すのに成功した。

雪合戦は終わったけど、何となくみんなで雪の投げ合いが続いていて、みんな雪だらけになった。雪を払っていると、

「羽鳥の玉、大丈夫だった?」

と岩井さんが心配してくれた。

「なんとか避けれたから大丈夫でした。」

と私が答えると、

「なんかうさぎみたいだった。」

と岩井さんは言って、

「頭にまだ雪ついてるよ。」

と言いながら、私の頭の雪を払ってくれた。私は、ドキドキしてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ