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つれづれ野花  作者: あぐりの
ながこい
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ながこい 27

「な、何を分かってるの?」

私は戸惑いながら聞いた。

「2人の関係。」

レンは私のことをジッと見て言った。私はドキドキしてしまった。レンにこんな風に見つめられるの、苦手だ。

「関係って…どんな?」

私がおどおど聞くと、レンは笑って、

「あいつさ、プールの時は、おまえには負けねぇって言ったんだよ。でもさ、運動会の、オレが連れられて帰った時、別れ際に、おまえには渡さねぇって言ったんだよね。」

と言った。

「ユージンが、ジュンペイ告ったの夏休み終わりかって言ってた話思い出して、あぁ、両思いなんだなって分かった。」

両思いってワードに、私は顔が熱くなってきた。その私の様子を見たレンは、

「あー、やっぱそうなんだ。」

と言った。ヤバい。見透かされてる。

「運動会の後も、おまえら相変わらず話してるのとか見ないから分からなかったんだけど、おまえ見てる限りあんまり変わんないじゃん。でも、シイがオレに聞きに来たんだよね。どうなってんの⁇って。」

女スパイ、シイだ。

「シイが聞きに来るって事は、ジュンペイはおまえと話して無いのかなって思って。」

レン、凄すぎ…当たってる。

「ジュンペイは、リレー前に、負けたらおまえの事諦めてって言ったらあんなにムキになるし、おまえはシイを使ってオレに探りを入れてくるし…」

レンはそう言うと私をまたジッと見つめて、

「まだオレにも希望はあるのかなって。」

と言った。私はドキッとしてしまった。いつもは優しい目のレンが、今日は違った。強い目だった。

「オレさー4年の時、おまえがオレの事好きだって聞いて、それから意識するようになったんだよね。」

レンにもやっぱり知られてたんだ。私はなんだか恥ずかしくなって来た。

「だけど、一緒にクラス委員とかしてるだけで満足だった。オレよりおまえの近くにいる奴はいないって思ってたから。」

私はレンの話を聞いて、その通りだと思った。私が何か係をする時、いつもレンが一緒だった。

クラス委員を一緒にやったのは4年が初めてだった。でも、クラス委員自体はお互いに2年から毎年やっていたから、初めて一緒にやるとは思えないくらい、やり易かった。レンはリーダーシップもあるし優しいしで、私が好きになるのに時間はかからなかったのは言うまでも無い。

そして、私と2人で居る時のレンはみんなと居る時と全然違っていて、私だけが知るレンって言う事もあって、もっと好きになっていったのだった。


そんな私が、再びジュンペイを好きになるきっかけがあった。

4年の終わり、私とレンはあまり関わることが無くなって来ていた上に、私に対するレンの気持ちが分からな過ぎて、私は悲しくなっていた。

そんな時、学年レクでドッチボール大会が行われた。各クラス男女混合で2チーム作って、4チームでのトーナメント戦だった。

私はジュンペイと同じチームで、決勝に進出した。相手チームは運動神経バツグンの女子もいて、優勝候補だった。私は運動神経バツグンでは無いけど、それなりに出来る方でなんだかんだ逃げ切っていて、最後まで残っていた。

相手チームは残り3人、私のチームは私1人になった。相手チームは外野との連携がうまく取れていなかったから、なんとか逃げるだけ逃げて頑張っていた。でも、さすがに疲れて来た時、相手がミスをしてくれて、ボールが私のチームになった。外野にパスをすると、ジュンペイが、

「外野で回せ!」

と言って、外野間でパスを出して、相手を翻弄させてくれた。私は疲れていたので、助かったーと思った。すると、外野にいたジュンペイが、相手に当てて中に戻って来て、

「後は任せろ!」

と笑顔で言った。私はドキッとした。

その後結局優勝して、その時ジュンペイが、

「おまえのお陰だな!」

と言って、ハイタッチをして来た。

私はこの時、ジュンペイの笑顔にドキドキさせられてしまったのだった。このタイミングでこれが無ければ、私はレンをずっと好きだったかもしれなかった。


「私は…レンの事は、1番のパートナーだと思ってるよ。」

私がそう言うと、レンは、

「それは分かってた。だから、余計におまえの気持ちが分からなかった。」

と言った。自分にだけ向いてる気持ちが、恋愛感情なのか、ただの信頼なのか判断が難しかったらしい。

「オレとしては、恋愛感情であって欲しかったけどね。」

レンはそう言って笑った。私はなんだか申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

「でもさ、おまえらが話してるの全然見ないし、もしジュンペイが渡さないって言ったのが、オレのただの深読みだとしたら…って考え出したら余計分からなくなって。」

確かに。そうだよね。私だって、ジュンペイがまだ私を好きでいてくれるのか分からなくて、確かめたくて、タツヤにお願いしたんだもん。

「だから、おまえとタツヤの話を聞いて、今日、2人の様子見たら分かるかなって思って来たんだけど、ジュンペイ来ないじゃん。」

そうなんです…

「タツヤが伝え忘れてる可能性もあるけど、伝わってるけど来ない可能性もある。よね?」

私はドキっとした。

ずっと考えずにいたかった事だ。

ヤバイ。泣きそう。

レンの前では泣きたくない。私はまた後ろを向いた。でも、きっとレンにはバレてる。

「もしそうだったら、オレの事、一から考えて。」

「そんなの…出来ないよ。」

ジュンペイが駄目になったから、レンに、なんて無理だ。

「…オレ、ずっと好きだったけど、本当は告白するつもりなかったんだ。でも、ジュンペイも好きって知って焦って言っちゃったんだけど…」

ジャリっと石の音がして、レンが近づいて来るのが分かった。レンは私の前に来た。

「オレがずっと好きでいるって覚えといて。オレはそんな風に、泣かせねぇから。」

そう言って、下を向いて泣いてる私を、ギュッとした。レンは温かかった。


しばらくレンの温もりに甘えてギュッとされたまま泣いてた私だったが、フッと我に返って恥ずかしくなった。そして、

「ごめんね、今日はもう、帰るね。」

と言って、レンから離れた。

「うん。送ろうか?」

と、レンは言ってくれたが、大丈夫。と言って、私は帰った。

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