ながこい 25
女スパイ、シイがミッションを遂行したのは、次の日だった。私は帰り道にその報告を受けた。シイは外掃除が一緒だったレンに聞いて来た。
「そのまま帰ったんだって。」
「やっぱりそうなんだねー。」
と私は言った。すると、シイが、
「でもねー、レン、2人の事分かってるっぽかったよ。」
と言った。私はびっくりした。
「私に、2人の事知ってるんでしょ?って聞いて来たから、知らないって答えたんだけど、オレの気がしないんだよね、って言ってた。」
「そっかー…」
ちゃんとレンに話さないといけないな、と私は思った。でもその前にジュンペイに会いたかった。
シイは、ジュンペイにも聞こうとしてくれた。でもなかなかいいタイミングが無くて、ダメだったと言っていた。確かに、だいたいユーヤやリュウヘイが一緒にいたりするから、難しいな、と思った。
私は、レンに言う前に、ジュンペイとちゃんと話そうと思った。今日はちょうど委員会の日だから、タツヤに頼んでジュンペイを呼び出してもらおうと決めた。
私は委員会でジャンケンで負けたレンが職員室に行っていない間に、タツヤにコソッとお願いした。タツヤは、いいんだけど、と言ってくれたが、
「オレらのが終わるの遅いから伝えれなくねぇ?」
確かに!考えてなかった…
気合いが空回りした私は、自分の分担の棚の整理に戻った。近くで書記の仕事をしていたカノが、
「お疲れ気味〜?」
と聞いて来た。私は、
「ん〜疲れてるけど、今は自分のアホさに呆れてる。」
と溜め息吐きながら言った。すると、カノと一緒に仕事していたユージンが、
「あははは!今更〜」
と言って来た。
「ユージンむかつく。この前プリント拾い手伝ってあげたのにー」
と、私が言うと、カノがキョロキョロ見渡してから、
「ねぇねぇ、あの後どうなってんの?」
と好奇心満載な目をして聞いて来た。私とユージンは、ん⁇となった。
「だから、運動会終わった後の事。」
私とユージンはびっくりした。すると、カノは、
「タツヤもユーヤも知ってるよ。」
と言った。
カノによると、カノ達は見回りが終わったら帰っていいと先生に言われていたが、生徒会室を見たらまだ明かりがついていたので、とりあえず戻ろうとなった。
でも、部屋に近づくと声が聞こえてきて、それがちょっと穏やかじゃないから、入るのを躊躇って、盗み聞きしていたらしい。ユージンが、
「あれ、めっちゃ興奮したよね!」
と言うと、カノも、したした!と言った。
「レンが好きなのは分かってたけど、ジュンペイは知らなかったし。」
「オレもオレも!びっくりした。」
「絶対そのちゃんだと思ってたもん!」
「だよなー!」
と、2人で盛り上がっている。
「で、ジュンペイが帰る!って言ったから、3人で慌ててトイレに隠れてた(笑)」
「出てった後、2人何か話してた?」
と私が聞くと、ちょっと思い出しながら、
「痛い痛いってレンの声は聞こえたけど…多分話してないんじゃない?」
と言った。すると、
「で?どうなってんの、今。」
と、私の後ろから声が聞こえた。ユーヤとタツヤがニヤニヤして寄って来ていた。
「あれ以来、ジュンペイ機嫌あんまり良くないよなー」
「確かに!リュウヘイが被害受けてる(笑)」
ユーヤ達が笑いながら話した。
「ジュンペイから何か聞いてねーの?」
とユージンがタツヤとユーヤに聞くと、
「盗み聞きしてたなんて言えるわけねーじゃん!」
とユーヤが慌てて言った。
「レンに聞いてみる?」
ユージンがそう言うと、
「笑ってかわされそう〜」
とカノが言った。みんな納得だった。
「そもそもさー、誰が好きなの?」
カノが私に聞いた。私は唐突に聞かれて、
「え⁈」
と焦った。
「良く考えたら、大事なのはそこじゃん。」
カノが冷静にそう言うと、みんなが、確かに!と言った。
「えっ!いや、うん、そうだね…えー何この空気〜!」
みんなの、好きな人を教えろ〜って空気を感じまくり、
「あー、うん、じゃあレンとジュンペイと話してからね。そしたら教えるよ!ね⁈」
と私はみんなの視線に圧迫されながら言った。
するとタツヤが、
「あー、だからさっきジュンペイ呼び出しってって言ったのかー」
とバラした。あ!やべ!っと言って逃げるタツヤを私は追いかけた。もう!恥ずかしいんだけどー‼︎カノ達は、楽しそー!と言って笑っていた。
入り口のドアまで追いかけると、タツヤは、
「はぁー、疲れた!あー、じゃあさ、日曜の1時、神社に来て。ジュンペイにも言っとく。」
と言って、ニヤっとした。私は、お願いします。と頼んだ。
ちょうどレンが戻ってきた。
私は、タツヤとの会話を聞かれたかな、と焦った。が、レンはそんな素振りを見せる事なく、職員室から来月の委員会総会の資料作りの仕事を頂いてきたと、笑顔でみんなに伝えた。みんなのテンションが一気に下がったのは言うまでもない。今日も遅くなりそうだ…




