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つれづれ野花  作者: あぐりの
ながこい
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ながこい 21

そんな事があったジュンペイと私だったが、普段は相変わらずだった。廊下で会ったりはするけど、2人で話すって言うのは全く無かった。と言うか、恥ずかし過ぎて話せなかった。思い出しただけでも、私は大変だったのだ。そんな状態だったから、シイにもまだ話せていなかった。

シイは体育委員で運動会の副実行委員長をやっていて、私は生徒会でお互い運動会へ向けて忙しくしていたから、と言うのもあった。


運動会も後数日と言うある日だった。私は生徒会室で、タツヤとユーヤ、ユージンと4人で、プログラム閉じをしていた。レンとカノはジャンケンで負けて、先生の買い出しに付き合わされていた。

プログラム閉じは単純作業で、4人で話しながらバサバサとやっていて、比較的楽な作業だった。私は役員になるまでユージンと話したことが無かったけど、もう余裕で話せるようになっていた。

ちょっと休憩しようとなって、窓からグランドを見ていたユーヤが、

「ランちゃんがいるよ、ユージン!」

と言うと、ユージンは、えっ!どこ!と言って窓に走って行った。ランちゃんはユージンと同じ5年で、大人しくて可愛い子だった。

「ユージンはランちゃんが好きなんだ?」

と私が聞くと、ひとしきりランちゃんを堪能したユージンが戻って来て、

「おまえはレンでしょ?」

と言ってニヤッと笑った。

「いーなぁ〜一緒に同じ役員とか!レンって5年女子にも結構人気あるんだよー」

ユーヤも窓から戻ってきて、

「何おまえ、やっぱりレンなの?」

と聞いてきた。隣にいるタツヤをチラッと見ると、白々しそうに、へー!知らなかった!と言ってニヤニヤした。ユーヤは私とジュンペイの事を知らないらしかった。

「私よく言われる。レンでしょって。タツヤにもリュウヘイにも言われた。」

「5年の間でもそう言ってるよ。」

「えー、5年でも?」

私はちょっとびっくりした。自分の学年だけじゃ無くて、5年にも勘違いされているとは思わなかった。

「あと、緑川とシイとか、ジュンペイとそのって人の組み合わせも有名。」

ユージンは得意気にそう言った。ユーヤとタツヤはジュンペイの好きな人が私だと知っているので、微妙な感じで笑っていた。私はと言うと、曖昧に笑うしか無かった。すると、

「え?何その反応?違うの?」

と、ユージンが意外な顔して聞いて来た。

「オレは知らねー」

ユーヤはそう言って私を見て、

「で?おまえはレンなの?」

と話を振って来た。私は、

「そもそもレンが私じゃないでしょ。」

と呆れ顔で言った。


私はずっと思っていた。みんな私とレンの事を言うけど、私はレンから何か言われた事は全く無かった。私は4年の時には確かに好きだったし、多分、他の子よりはかなり仲が良かったと思う。だけど、私はレンと2人きりの時は、結構好きって気付かれる態度を取っていたのに、レンは私をからかってるだけだったのだ。

「レンは絶対そうだよ!見てればわかる!」

と、ユージンは自信満々に言った。

「えー?じゃあ〜、私を見て、どの辺でレンって思ったわけ?」

と私は聞いてみた。すると、意外な事をユージンは言った。

「ん〜、それがさ、分かんないんだよね。クラス委員とか役員とか一緒にやってて仲良さそうなんだけど、おまえ、分かりにくいんだもん。」

年下のユージンにまで、おまえ呼ばわりされるのにも大分慣れて来た事は置いといて、私は答えにちょっとびっくりした。

「分かりにくい?」

ユーヤとタツヤは、あーなんか分かる気がする、と言った。

「そう、分かりにくいんだよね〜」


ユージンの観察によると、私の対応は、男女問わず同じなんだそうだ。特別さがないらしい。レンも分かりにくいらしいが、この半月、6人で濃密な時間を過ごして来た中で、カノと私との対応の仕方が、ちょっと違うんだそうだ。そう言われても、私にはよく分からなかった。

ユージンは私がレンを好きだと思っていたけど、その特別な雰囲気が全く無いから、ちょっと気になっていたらしい。

ユージンの観察力にちょっとびっくりしながら、私はなんだか納得した。

私とジュンペイは、普段本当に話さない。クラスが違うから話す機会がそんなにないからだ。もちろん、廊下でみんなで話すことはある。でも、2人で話す事は無いから、みんな気付かないのかも知れない。

引き継ぎの時だって、結局全然話してなかったから、ユージンにも分からなかったのかも。

私の特別はジュンペイにしか出てないのかも。そう気付くと、なんだか恥ずかしくなって来た。

「何?なんでちょっと赤くなって来てるの⁈」

と言うユージンに、

「いーの!もう、早く終わらせようよ!」

と言って、プログラムの束を押し付けた。ユーヤはまだしつこく聞いて来たけど、多分、ジュンペイの好きな人を知ってるから、私の情報をゲットしようとしてるんだろうな、と思った。それをタツヤも感じたのか、

「あーオレもモテてぇなぁ!いや、違うな。ミオに好きになってもらえたらいいや。」

と言って、話を変えてくれた。どうやらユージンもタツヤのミオ好きは知っているらしく、笑っていた。私はタツヤに感謝した。前の呼び出しも、夏休みの事も、タツヤには本当に感謝だった。


しばらくしたら、

「お土産だよー!」

と言って、カノとレンがクッキーを持って帰って来た。そして、

「クッキー食べたら、みんなで体育館行ってくれって。障害物競走のネットが絡まって大変なんだって〜」

と、レンが要らない情報を報告して、みんなでガックリした。

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