らすこい24
「えっ⁈何その急展開。」
しんちゃんに別れを告げられた翌日の土曜日、ハナエちゃんに会って報告した。最近はお互いに予定があったりしたから、電話じゃなくて会うのは久しぶりだった。
「で?自分から言うつもりだったくせに、なんでそんなにショック受けてんの?」
「ごもっともなんだけどー、やっぱり辛過ぎて…」
「まぁ、振られたわけだもんね〜」
「うん、まぁ、振るより振られる方が良いから、それは良いんだけどさー」
「あー、分からなくもないわ。じゃあ、何?」
「いやー、やっぱりあのさー、するのが無くなるのがね…」
「そんなになの?確かに前に見た時、言葉責めには興奮しちゃったけどさぁ…おもちゃも見たかったなー」
「あー、あったね。あれは優しい方だったんだけど、昨日とかはやばいよ。」
「あれは優しかったんだ。昨日とか見たかったわぁ。」
「本当にさー辛いわぁ…」
私がぐでーーんと倒れると、ハナエちゃんは、
「あ!キーチに引き継いでもらえばいいじゃん!こーゆーの好きなのー!って。」
と、衝撃発言を楽しそうに言った。いや、絶対言えないでしょ。てゆーか、しんちゃんのあの明るいフレンドリーなキャラだから出来るだけで、キーチみたいな人がしたらびっくりする。まぁ、私は多分、受け入れちゃうけどね。しかも喜んで。
「それはそーと、キーチとは付き合わないの?」
「好きとも言われてないよ。」
「えー⁈そうなの?」
ハナエちゃんは驚いていた。まぁそーだよね。
「してる時とかさ、盛り上がって言ったりとか、無かったの?」
「うん。」
「他の言葉は?」
「えー…気持ちいい?とか?」
「いや!そーじゃなくて!好きに代わるよーな言葉よ。」
「えー?あー…最後の方に、幸せって言ってくれたかな。」
「あー、なるほど。さわは言って無いの?」
「えー?うん。キーチが言わないから。」
そうなのだ。私は思わず言ってしまいそうになる時があったんだけど、キーチから言われてないのに言うのはなぁ。って思ったんだよね。軽く、言ったらダメな気がして、グッと堪えた。
ただ、その後メールでも会った時でも、キーチからは言われなかった。することはしっかりたっぷりなんだけどね。
こんな状態なのに、全然好きって言われないから、私はちょっとキーチを疑い始めてしまった。何をかって言うと、セフレ。私はキーチにとってセフレなのかなぁって思い始めた。
正直、今の私にはキーチ以外の人が居ないから、キーチが私と付き合う気持ちが無いなら、さよならしようと思い始めていた。
だって、片道2時間弱の距離って結構いろいろかかる。時間はもちろん、ガソリン代とかも。しんちゃんは近くだったし刺激的な経験でもあったから離れ難かったけど、キーチは違う。キーチは優しくて良い人だから辛いけど、それなら、近くで探した方が絶対良い。
密かに、タイムリミットを自分の中で設けていた。月末にある、私の誕生日。その日までに何も言われなかったら、キーチとはさよならしようと決めた。