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つれづれ野花  作者: あぐりの
らすこい
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らすこい20

「気持ちが分からないからとか、それって知りたいけどって事でしょ。物足りないからしんちゃんとって、物足りなくなくなったらキーチがいい。ってなるじゃん。」

なるほど…そう言われると、そんな考え方もあるのかぁ。だからかー。時々カノが意味深な顔したりしたのは。

「うーん。そうかも知れないけど、ピンと来ないなぁ。」

私が悩みながら言うと、

「そっかぁ…だけど、さわちゃんって器用じゃ無いから、早いうちに気持ち決めた方が良いよ。」

と、カノは言った。確かに。

「それは、私も思ってる。」

すでに無理が出て来てた。花火の時、しんちゃんに嘘ついてる。今だって、しんちゃんに知られたら面倒だなぁって思った。そう思う自分が嫌だった。カノの言う通り、私に2人と付き合っていける器用さは持ち合わせて無い。このまま進展しないなら、真剣に考え無いといけない。

ヨシくんが休憩になるって連絡が来て、この話は終わりになった。だけど、頭の中ではずっと考えていた。もし次会う機会があっても何も進展しなかったら、キーチとは終わりにしよう。そう決めた。


ヨシくんと合流して、しばらくは3人で行動してたんだけど、ヨシくん、交友関係広過ぎ…まぁ、彼女がいるからみんな興味持って来るのもあるんだろうけど。カノも流石は営業職。対応出来てて凄い。私はちょっと人酔いして来てしまった。

「カノ、ヨシくんと2人で過ごしなよ。私ちょっと休んでる。」

私はそう言って、日陰にある空いてるベンチを指差した。

「え〜…分かった。じゃあ、そこに居てね。」

カノはちょっと心配してくれたけど、1人にしてくれた。

ベンチに座ってお茶を飲むと、ちょっと落ち着いて来た。やっぱり人混みって苦手。緊張しながら歩かないといけないし。雰囲気は好きなんだけどなぁ。みんな楽しそうだし。

しばらくボーっとして過ごしていたら、

「ごめんね、大丈夫ー?」

と、カノが戻って来た。どうやらそろそろ片付けに入るらしかった。

「ヨシくん打ち上げに行くって言ってたから、2人で何か食べない?」

「うん。行こう。」

良かった。打ち上げに参加しようとか言われたらどうしようかと思った。これ以上交流を持つのは、ちょっと、しんちゃんに繋がりそうで避けたかった。


ヨシくんが打ち上げするお店の近くのカフェで、私はカノとご飯を食べてヨシくんを待つ事にした。

「カノは本当に凄いね。私あんな風に対応出来ないよ。」

私が今日の様子について話すと、

「仕事に比べたら全然楽だよ〜」

とカノは言った。それからカノの愚痴が始まり、カノで大変なんだから、私には絶対向いて無い職業だと思った。

2人でまったり過ごしていると、私の電話が鳴った。

「あ、しんちゃんだ。」

私がそう言うと、カノが、

「もしもしー」

と言って出た。

「あはは!そう、今さわちゃんといるー」

カノはしばらくしんちゃんと話してから、私に電話を返した。

「さわちゃん学祭行ったの?」

「うん。」

「カノ彼んちに泊まるって?」

「うーん…車かも?」

「あー、その方が俺的には安心だわ。」

「なんでー?」

「だってカノ彼は信用ならない。」

…そうなんだ。って、彼女いるんだから大丈夫でしょ。あー、でも、カノも前に性欲強めって言ってたなぁ。

「しんちゃんにめっちゃ気にされてんじゃん。」

「あー、結構束縛?したい人かもね。」

「へぇ〜頑張れ〜」

って、全然応援する気無いじゃん。あー、キーチ派だって言ってたっけ。私はまだ、決めれないなぁ。


それからヨシくんを迎えに行って、ヨシくんちに着くと、私は、

「カノ、車借りていい?」

と聞いた。

「え?一緒に泊まらないの?」

ヨシくんはそう言ってくれたけど、

「うん。せっかくだから2人で過ごして。私の事は気にしないで大丈夫。」

と言って断った。じゃあねーと言って、私は車を発進させた。

泊まらなかったのは、しんちゃんからの忠告があったから。だけじゃ無かった。ある程度車を運転してから、私は車を停めた。そして、電話を取り出して着信履歴を見た。時刻はヨシくんと合流した直後だった。

それから、メールを確認した。着信があった直後に、

「今どこにいる?」

ってメールが送られて来ていた。

どちらも、キーチからだった。

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