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つれづれ野花  作者: あぐりの
らすこい
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らすこい17

もしかして、キーチは私に彼氏がいるから、手を繋いだりして来なかったのかな。だとしたら、別れたって知った訳だから、何か変わるかな。

って私、キーチとの進展を望んでる?

今は手を繋ぎたいよ?だってずっと私を気にしながら人混みを歩くの申し訳ないもん。

あと、正直言えば、2人きりなのに何もされない事に寂しく感じてる。しんちゃんが当たり前のよーにしてくる事に慣れてしまってる分、寂しい。でも、この距離感が普通なのかなぁ。私の感覚がおかしくなってたのかな。

しんちゃんも基本的には優しいけど、キーチも優しいし、なんか、いい人って気がするけど、好きとか付き合いたいとか、どーなんだろう…

しんちゃんは一緒に居て刺激的だけど、キーチは穏やか…物足りなさを感じるのは、何もして無いからなんだろうなぁ。

でも、キーチにその気がないとは思えないんだよね。だって、合コンの時、カノ達みたいだったら我慢して無いって言ってたもん。まぁ、私が純真無垢な女を演じたからなんだけどね。

だとしたら私が頑張らないと、キーチの中で純真無垢なままになっちゃうのかな。そしたら、本当にこのまま何も無く、進展無く今日が終わっちゃうのかな。

…いや、別にいいんじゃん?普通そうなんじゃ無いの?だって、会うの2回目だし。急がなくて良くない?


私も考え込んじゃったけど、キーチも何も言わないで人の流れを見つめていた。なんか、私達って、何も言い出さなかったらずっとここに居そう…私は大丈夫だけど、キーチは私を送った後家まで帰る訳だから、あまり遅くなるのはダメだよね。

「そろそろ行く?」

私はそう言って、キーチのジャケットを摘んだ。

「あー…じゃあ…」

キーチはそう言ってから、

「彼氏、いないなら…手、でも、いい?」

と、恥ずかしそうに言った。

「あ、ほら、やっぱり手を繋いでる方が歩き易いってゆーか…」

キーチは焦って言った。やっぱり、そうだった。そーゆー理由だったんだ。私は嬉しくなって、

「うん!」

と言って、手を出した。キーチは戸惑いながらも、手を繋いでくれた。繋ぎ方は握手みたいだったけど、それでも繋ぎたかった時間が長かったから、嬉しかった。


そー言えば、ふと思い出した。

ダイスケさんとの時もあった。手が繋ぎたくて繋ぎたくて仕方無いのに、自分からなかなか言い出せなくて。ってゆーの。あの時は次が無いと思ってたから、めっちゃ勇気出したなぁ。

キーチとは、次ってあるのかな…

そもそも、キーチはなんで私を誘ってくれたんだろう。悪くは思って無いよね。メールも続いている訳だし。いろいろ気にかけてもくれてるし。手も、こーやって繋いでくれてるし。

でも、彼氏が居るって思ってたのに、私を誘ってくれた訳だよね。って事は、好きって訳でも無い?となると〜友達?もしくは、遊び相手とか?いや、なんとなくだけど、キーチは遊び相手とか苦手そうだから違うか。しんちゃんなら有り得るけど。だって実際私がそうだと思うもん。

だからかなー。しんちゃんに本気になれないの。

恋人同士みたいな感じだけど、実際は付き合うとか話にも出ないし。でも、妬きもちはやかれるんだよね。今日だって、

「えー⁈まさか男とじゃないよね?」

って言われたし。そー言われると、男の人と、なんて言えなくなっちゃって、

「職場の同僚と。」

って嘘ついちゃったよね。そして何なら、メール、花火中も何通か来てるのも知ってるんだけど、返してないし。いや、後でちゃんと返すよ?後でちゃんと読んでからね。

とは言え、私もしんちゃんが週末予定あるって言われたら寂しくはあるんだよねー。用事が何かとかはあえて聞かないけどさ。仕事かもだし、もしかしたら合コンかもだし、デートかも知れないし。聞かない方が私的には楽だから、絶対聞かない。

だって、デートとか言われたら、それなら言わないと思うけど、ショックだし。やっぱり、他にも仲良くしてる子がいるってゆーのは、寂しくはなるよねーまぁ、仕方ない事なんだけどさ。私もキーチとこうして過ごしてる訳なんだから。


しんちゃんとは対照的なキーチとは、屋台ゾーンを抜けても結局手を離す事なく、駐車場までずっと繋いでいたけど、この日はそれ以上の事は、何も無かった。


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