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つれづれ野花  作者: あぐりの
らすこい
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らすこい12

そう思いながらも、ズルズル…はぁ。本当に最低よね…

自分が意思が弱いって分かってるけど、はぁ…

結局何も行動を移さないまま日々を過ごして、なんなら、キーチとも連絡を取り合い始めて…さらに最低な私を更新中とゆー…はぁ。

そんな中、私は、予定通りセーくんに会いに行ったとゆー、もう、私何したいのか分からない状態だった。

言い訳はたくさんあります。えぇ、はい。誰も聞きたく無いよーな言い訳の数々です。

更に言えば、このセーくんと過ごした数日間、私は最低でした。気持ちの切り替え、しっかりやってしまいました。つまり、セーくんの彼女として楽しく過ごしたのです…


飛行機を降りて出口に行くと、セーくんが待っていてくれた。そして、すごく嬉しそうにしてくれて、その姿を見て、切り替えないとダメだ。と思ったのだ。最低なのは私で、セーくんは何も悪くないから。この数日間は、セーくんの彼女としての自分を取り戻そうと思った。

アッコやコーちゃんとも会って、久しぶりに大学の時の思い出話とかした。いろんな所を旅した話とか、全然尽きなかった。懐かしいけど、数ヶ月前までは日常だったんだよね。久しぶりのこの楽しい感覚に、罪悪感が、体中を駆け巡っていった。

セーくんと2人でいる時に、何度も言おうかと思った。けど、結局言わないまま地元に帰って来た。

楽し過ぎた。セーくんの彼女だった事を思い出して、優しいセーくんと触れ合って、幸せを感じ過ぎた。

同時に、罪悪感に苛まれて行く自分が、本当に嫌になって、地元に戻った2週間後、私はセーくんとお別れした。


「なんで?何が?」

何度も聞かれた。全部は話さなかったけど、いや、話すべきじゃない気がして、話さなかった。自分を守るためじゃ無くて、…いや、違う。私は自分を守ったんだ。最低だ。

「別に好きな人が出来たの?」

これには即答出来た。

「出来てない。」

「じゃあ、なんで?」

堂々巡りに、私は、

「私がセーくんを、大事に出来てないから。」

と言った。セーくんは納得してなかった。だけど、

「それは、時々、感じてた。」

と言った。

「私が最低なの。本当にごめんなさい…」

セーくんは、

「…分かった。」

と言って、電話を切った。


それから先、セーくんから連絡が来る事は、一度も無かった。


代わりにアッコから連絡が来た。ちょうど、1週間後の事だった。

「浮気してたの?」

ストレートに聞かれた。セーくんに話さなかった事をアッコに話すつもりは無かったから、

「他に好きな人はいない。私がセーくんを大事に出来てなかっただけだよ。」

と言った。

「さわは難しい…」

アッコはそう言って、電話を切った。


「なんで本当の理由言わないのー?」

側で聞いてたハナエちゃんが言った。実はアッコから電話が来た時、ハナエちゃんちにいた。

「根本的な原因は、愚痴を聞き流して欲しいって事じゃん。何度か伝えてるのに直してくれないって事でしょ?」

「そーだけど…結局は浮気した事から来る罪悪感に耐えられない。って繋がるし。」

「繋がってる?さわって、説教が嫌だから浮気に走ったっけー?違うくない?」

ハナエちゃんに言われて考えた。うーん…

「浮気は、ただ単にさわが流されてるからでしょ?特に意思が無いからでしょー?セーくん関係ないよー」

確かに。そうかも知れない。

「さわは変な所真面目ってゆーか頑固だけど、好奇心も旺盛なんだよねー。それでいて許容範囲が広過ぎるから流され易いんだよ。」

そう言って、ハナエちゃんはポテトを差し出した。私はパクっと食べた。

「あはは。今みたいにね。簡単に口開けちゃう。」

ハナエちゃんは笑って言った。

「だいたいの人は手で受け取るよ。」

…なるほど。

「だからー、浮気は意思の弱さ!」

そうハナエちゃんは言って、

「セーくんとの事は、1番頼りたかった人が分かってくれないってゆー所から、さわの心が離れ出しただけ。」

と言った。その通りかも。私はただ、

「大変だったね。」

って優しく慰めて欲しくて愚痴ったんだけど、毎回説教みたいになって、嫌になってた。段々と愚痴はハナエちゃんに聞いてもらうよーになって、今もハナエちゃんと居る。

ハナエちゃんは凄い。

そう思ってハナエちゃんを見ると、笑顔で、またポテトを差し出した。今度は手で受け取った。

「そーゆー所、さわの良い所だよ。」

「?」

「素直に聞けちゃう所。私なら敢えて、また口開けちゃう。」

ハナエちゃんはそう言って笑った。

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