表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
つれづれ野花  作者: あぐりの
ながこい
12/190

ながこい 8

ジュンペイ達が見廻りで出て行ってから、私達は片付けをして帰ったのだが、校庭で遊んでいたミオとちょうど一緒になり、3人で帰ることになった。だから、シイと帰り道でこの事について話す機会は無かった。


この日の夜、私はドキドキでなかなか眠りにつけなかった。ジュンペイからはっきり正解が聞けなかったからなのは言うまでもない。だからと言って、あの状態ではっきりと正解を教えてもらうとなると、それはそれで、私は眠れなかったのでは無いかと思う。どちらにしても私には、ドキドキ、バクバクの心臓で、ニヤニヤが止まらない夜になった。


次の日学校に行くと、シイが先に来ていた。私を見つけると誰もいない図書室に引っ張って行き、

「私の2つ目の質問、やっぱりイエスだって!」

と言って来た。シイの2つ目の質問…

「私じゃないよね?」

答えは、「イエス」。

つまり、私になる。

私の心臓はいきなりバクバクし始めた。

シイは学校に来るとすぐ、リュウヘイに拉致されて、この図書室でその事を聞かされたらしい。ジュンペイには秘密だぞって言う念付きで。リュウヘイはジュンペイがまだ来ていないのを確認してから、私に話そうと思って、2組を見渡したが、先にシイを見つけたので、教えてくれたそうだ。

「両思い…だよね?」

と、シイはいたずらっ子みたいな表情して聞いて来た。私はもう恥ずかしくて、

「シイって意外と、意地悪だよね(笑)」

と言って笑った。

「やっぱりねー!」

シイは嬉しそうに言ってから、

「でもリュウヘイはレンだと思ってるみたいだよ。多分、ジュンペイも。」

と教えてくれた。


私は、授業が始まってからも、シイの話を思い出していた。

シイはリュウヘイに私の好きな人を教えてくれと言われて、

「私も知らない。」

と答えた。シイは私と恋話をしないけど、良く一緒に居るから、多分ジュンペイだろうな、とは思っていたらしい。でも実際に私から聞いたわけじゃなかったから、そう答えたみたいだった。

「えー⁇絶対嘘!ねー、やっぱりレンなの?」

とリュウヘイは聞いて来たらしい。

「私達そう言う話しないから本当に知らないよー。本人に聞いたらいいじゃん。」

シイは面倒くさくなってそう言うと、

「教えてくれないからシイに聞いてるんじゃん!ジュンペイの教えてあげたんだから教えてよ〜」

とリュウヘイはシイに頼んだ。

「ジュンペイのはリュウヘイが勝手に教えてくれたんじゃん。ありがとね〜‼︎」

と言って、シイは教室に逃げて来たそうだ。やるなぁシイ。

「リュウヘイはレンだと思ってるから、ジュンペイも振られ仲間にしようと思って教えてくれたみたい。本当は違うのにね〜」

いたずらっ子シイはそう言って笑った。

なるほど。そう言われてみたら、リュウヘイの、

「オレには言っていい権利がある」

って発言も理解できる。

ってゆーか、私とレンってそんなに思われてるんだ。確かに2人でいる時は仲良いと思うけど、普段は全然話さないし。どちらかって言うと、私は緑川との方が話してると思うけどなー。まぁ緑川とシイはもっと話してるけどね。2人こそ両思いじゃん!両思い…

ジュンペイと私も両思い…あー!恥ずかしいっ‼︎嬉しいけど‼︎同じくらい恥ずかしい〜〜‼︎


私はその日から1組が覗けなくなった。恥ずかしくて、ジュンペイと話したいけど、心臓がバクバクでそんなのは到底無理だった。

廊下ですれ違ったりはもちろんあったけど、お互い誰かと一緒だったりして特に会話することは無かった。

残り少ない1学期数日はそんな状態のまま過ぎて行き、小学生最後の夏休みに入って行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ