王国の危機
ここはサック王国。盗みが多発している国だ。日々銀行や路地裏などで強盗、スリといった盗みが絶えないでいた。
そんな中街の人々がこの様な噂をしていた。
「どうやら最近この国の向こう側には宝石と絶世の美女がいるらしいな。しかし、その美女達は魔女らしく、彼女達から宝石を奪おうとすると二度と帰れない人となるらしいぞ。」
「おお、くわばら、くわばら。まだ普通の盗みの方が可愛いもんだ。誰がそんな死ぬような場所に行くのかねー。」
その事を耳にした少年はとても気になりだしてその宝石と少女の情報を色々と掻き集めていた。その少年の名はロブと言う。盗みを習っていた師匠から名付けてもらった偽名だ。ロブは偽名とは正反対に盗みは嫌いだが、冒険ものの話には常に釘付けになるほど好きであるためどんな危険な冒険でも容易く受け入れてしまうほどの馬鹿だった。
今までも「ドラゴンが出たぞ」とか、「魔物が宝石持ってるぞ」とかの類に話を聞き入れては冒険してみたが失敗に終わり常に怪我をして帰ってくるほどだった。だが一切学ばず今回も噂のみで冒険に出ようとしていたのだった。
「宝石と美少女かー。楽しみだ。」
と気分上々に独り言を言っていた時だった。
カーンカーンカーン!!!!
「うわっ何だ!?」
途端に警報の鐘が城から鳴りだし、驚くロブ。
「おい、みんな避難しろ!魔物が来たぞ!」
ひとりの衛兵が騒いだ瞬間ほんの一瞬で街は焼け野原となってしまった。
そんな騒ぎがあってから数ヶ月。ロブは焼け野原の街を歩いてると今にも亡くなりそうなおじさんからこんな話を聞く。
「これはたたりじゃ…魔女がお怒りになったんじゃ…。」
「ウソだろおじいちゃん。そんな魔女がこの世にいるはずがないよな!?、おいじいちゃんしっかりしろよ!」
また嘘だろと思わせる噂だがこの様な被害を受けたら嫌でも信じるしかなかった。そしてロブは決意する。
「こうなったらその魔女達から宝石を奪ってこの国を平和にしてやる…!」
こうして少年ロブの冒険は始まるのだった。