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青春あくありうむ!  作者: 風又秀太
第1章 Episode of 高橋悠太×橘立夏
6/12

4話:衝突 ~橘立夏~

【11月18日】

「駅から徒歩1分かぁ。近くていいな」


土曜の昼下がりの雨上がりの大通りを歩きながら、私はそう呟く。外山高校ってどんなところなんだろう。今日は明日香の代わりだけど、あわよくば志望校を......


「なんて、そんなこと起きるわけないよね」


仮に、もし外山高校に行きたいと思ったとして、それはきっと、 明 日 香 と一緒に行きたい、ということなのだろう。明日香は最高の友達だし、まだまだ一緒にいたいとも思っている。だが、高校は、自分の意志で決めたいと思っていた。

独り立ちするためだ。明日香と一緒だとどうしても彼女に頼ってしまうだろうし、独り立ちなど到底できるはずもない。だから高校だけは、自分一人でも頑張れるようなところにしたいと密かに思っている......


そんな立夏の決意など秋の風はつゆ知らず、気付けば立夏は、外山高校の門の前にいた。


「ここが外山高校か……」


季節を感じさせる並木道に、簡素な出で立ちの黒い門。奥に見える白塗りの校舎は清潔感を感じさせる。

初めて見た外山高校の印象は、『とんでもなく綺麗』だった。


門をくぐると、「こんにちは」と言いながら、各所に配置された生徒が誘導してくれた。受付で、パンフレットのようなものを何故だか2種類受け取り、そのまま体育館へと、誘導されるがままに進んでいく。

体育館には既に、300人ほどの中学生やその保護者がいた。思った以上に大規模な説明会のようだ。


「こんにちは。あ、、すみませんがこの説明会、中学生とその保護者しか……」

「中学生です!」


キレそう。


「あ!そうでしたか!失礼しました申し訳ございません!!そうしましたら、こちらまっすぐお進み頂いて、奥から詰めてお座りください」

「ありがとうございます」


この野郎、顔覚えたからな!今度会ったらただじゃおかないからな!!

まぁ、今はそんなことなどどうでもよかった。だって、気付いてしまったのだ。やっぱりこの説明会……


 ドンッ


色々あって上の空だったのか、前を歩いている背の高い男性にぶつかってしまった。私の身長は149cm、お世辞にも高いとは言えない。そのため、振り返った男性とは30cm近い差があった。


「ご、ごめんなさい」

「あ、全然大丈夫ですよ」


一見怖そうな見た目だったが、いい人そうで良かった。


ゆっくりと彼の横に腰掛け、パイプ椅子の下にリュックを置く。


私は説明会開始の14:00まで、受付で貰ったパンフレットを読むことにした。1つはよくある学校案内のパンフレット。そしてもう1つは……





私は、衝撃を受けた。



自由な校風で


クラブ活動が盛んで


委員会活動が盛んで


授業が楽しそうで


設備も良くて


明るくて


楽しそうで


そして何よりこの説明会


全部生徒だけで作ってる!!

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