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青春あくありうむ!  作者: 風又秀太
第1章 Episode of 高橋悠太×橘立夏
5/12

3話:衝撃 ~高橋悠太~

【11月18日】

学校説明会当日、外山高校から徒歩15分のところにある鷹田馬場(たかだのばば)駅に悠太はいた。


「外山高校ってどんなところだろうなぁ」


実を言うと俺は、外山高校には一度も行ったことがない。医学系大学進学プログラム、TLMが日本で唯一存在するということだけで決めたからだ。正直それ以外のことはどうでもよかったし、今もどうでもいいと思っている。

もしそれ以外に魅力があればそれにも参加して......


「まぁ、そんなこと起きるわけないよな」





「ここが外山高校か……」


門の前の開けたスペースに、校舎へと続く緩やかな坂道。奥にはシンプルだが美しい、白い要塞が見える。

初めて見た外山高校の印象は、『端麗』だった。


坂道を進む俺を、各所に配置された生徒が挨拶しながら誘導してくれた。玄関の受付で、冊子のようなものを2種類受け取り、それから体育館へと、誘導されるがままに進んでいく。

体育館には既に、たくさんの中学生やその保護者、それによく見ると、外山以外の高校生もいた。外山高校は人気校だが、これほどまでとは思わなかった。受検を前に、一抹の不安を抱く。


「こんにちは、1名様でしょうか」


 コクリ


突然のことに声が出せず、頷くだけとなってしまった。ったく、コミュ障かよ俺は。


「そうしましたら、こちらまっすぐお進み頂いて、奥から詰めてお座りください」

「は、はい」


辺りを見渡して、記憶を振り返って、ある1つの真実に辿り着く。もしかしてこの説明会……


 ドンッ


席の前まで来たときだった。自分が急に立ち止まってしまったせいか、後ろを歩いていた女の子にぶつかられてしまった。自分は身長が高い方だが、それにしてもその女の子は小さい。小学校高学年くらいだろうか。


「ご、ごめんなさい」

「あ、全然大丈夫ですよ」


一見幼そうな見た目だが、礼儀はしっかりとしているようだ。近くに親は見当たらない。迷子だろうか。


そんなことを考えながら、自席につく。パイプ椅子の下に荷物を置き、受付で貰った冊子を開く。1つはよくある学校案内の冊子だった。そしてもう1つは……





俺は、衝撃を受けた。



校舎が綺麗で


明るい校風で


クラブ活動が盛んで


委員会活動が盛んで


自主性があって


面白そうで


楽しそうで


そして何よりこの説明会


全部生徒だけで作ってる!!

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