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青春あくありうむ!  作者: 風又秀太
第1章 Episode of 高橋悠太×橘立夏
10/12

8話:大きな決意 ~橘立夏~

【4月7日】


「じゃあ立夏、またあとでね」


「うん、またね」


別クラスにになった明日香に別れを告げ、自分のクラスに向かう。

お母さんに買ってもらった紺色の制服は少し大きかった。座席表を確認し私の在籍する1年F組の教室へと足を踏み入れた。


「えーっと……あ、あそこか」


集合時間10分前。教室の机は既に3分の1近くが埋まっていた。自席に座り、辺りを見回す。

席を立って別の生徒と話している人もいるが、ほとんどの人は座っておとなしくしていた。


今日の私の目標は1つ、自分から誰かに話しかけることだ。

思えば小学校の時から、私は明日香にくっついてばかりだった。明日香の友達が自然に、私の友達になっていった。

今日から明日香は別クラスだ。初めてのことで不安も多いが、良い転機になるだろう。


とりあえず近くの人に話しかけたいんだけど…………よし。


 ツンツン


 ビクッ


「そんなに驚かないでよぉ」


「ご、ごめんなさい」


肩を叩くつもりだったのに身長が足りず背中になってしまった。


「なんで謝るのさ!」


「ご、ごめん」


大きな背中に似合わないおどおどした態度だった。


「はぁ、まぁいいや」


とりあえず仲良くなりたい。ガツガツ来るタイプではなさそうなので、こちらから攻めてみることにした。私は立ち上がり、まだ来ていない彼の右隣の椅子に腰かけた。


F組の名簿を指差して、


「私、橘立夏。これからよろしく!」


彼は驚き、困惑した表情を浮かべている。自分の感情がすぐに(おもて)に出てしまう、正直なタイプだと悟った。


「俺は高橋悠太って言います」


どこの商社マンだよ!

初対面だとひどく緊張してしまうのだろう。


「んー堅いよ。同級生なんだからタメでね」


「あ、はい」


「これからよろしくね!……えっと、なんて呼ぼう」


「んー……高橋とか?」


無難だ。


「オッケー、じゃあ私のことも橘って呼んで」


「うん、これからよろしく」


「こちらこそ!改めてよろしくね!」


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