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金の暗殺者と銀の姫君の恋
音もなく忍び寄る黒い影。
姫は気配を察知し、寝台から飛び起きた。
「ふっふっふー!かかりましたね~!
こんなこともあろうかと毎晩魔法トラップを仕掛けておいて正解でしたー!」
「くっ…オレは暗殺者、姫の命を貰いに来たモンだ」
「暗殺者なのに、自己紹介するんですか~三流なんですねぇー」
「魔術とは随分姑息な真似をする…何者だてめぇ」
「私はこの国の姫です!」
「……あぁ?何かの間違いだろ。
冗談も休み休み言えってんだ」
「姫様ああああ」
「本当だったのか」
「これは族ですね!?」
暗殺者は逃げようとするが、姫にとてつもない力で腕を捕まれた。
「いいえ、お友達なんです~明日から門から城に入れてあげてくださいねー」
「わかりましたー」
「は…?(こいつらの頭大丈夫か?)
」
何事もなかったかのように家臣等は去った。
「どういうつもりだ」
「私はこの花畑で退屈をしていたんです」
「花なんかどこにも…」
「私は貴方のような方を待っていたのです」
「…奇特な奴だな」
「あ、これまで城に忍び込んで無事に帰れたものはいませんからね~
これから私の遊びに付き合ってくださいねー!」