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「どうしたらいい?」


 彼から求婚されたことを、どう対処すればいいか、ノインに助言を求めるべく報告した。


「なぜ私に聞くのです?」

「本当は女の子同士で話したかったけど、イエラと話すなって言ったでしょ」


 そうではなく、聞く相手を間違えているといいたいのだろう。


「あんたか王子しか親しい人いないのよ。本人に聞くわけにいかないもの、ならあんたしかいないでしょ」


 理論的には間違えていないが、互いに仲がいいとは言えない微妙な間柄で相談する内容としては間違っている。

 まともな回答が返らない。やはり彼のいいつけなど無視してイエラに聞けばよかったか?



「殿下は1年以内に伴侶を見つけ、神の許しを受けねば王位を継げぬ……宿命を背負っているのです」



 それは老人に聞いてなんとなく知っていた。でもまあ、ここで初めて聞いたことにしよう。


「じゃあ探しにいけばいいのよ。私をここに連れてきてしまったせいなら出ていく」

「それはありがたい……」


やっぱりこいつは王子と私の結婚は反対だったようで、初めてといっていいくらい表情が豊か、本音も出ている。


「旅に出る日に殿下から伴侶についての異議は受け付けないと釘をさされていましてね」

「へえ……国の守り神がどうって噂は本当だったの?」


ノインはコクりとうなずいた。


「伴侶候補と祭壇の間へ行き、神の赦しが受けられれば成立します」


話は終わったと彼は立ち上がり、部屋の外へ出ようとする。このまま出て行っても困るのは自分だ。

慌てて彼の手を引いて引き止める。そして彼の袖をつかんだまま、部屋を出る。


「でも外に出るためには……耳かして」


彼に協力させてバレずに城を出るために、そして魔族が一人で生きるために必要なことを身に着ける。


◆◆



というわけで、私は彼の魔法で彼の父である公爵のいる領地マーヴェル・エイトの一角にある別荘へきた。

ここで魔法と空を飛ぶの特訓をして、羽が治ったら城からこっそり飛んで逃げる。


「父は魔族に寛容なので、城から出た後は気にせずここで暮らしてください」

「え、森で一人暮らしするからいいわよ」

「殿下が貴女の目撃情報で山狩り等をしたらどうするんです」


確かにあの王子はしつこそうだ。


「いまこの時期に放流して野垂れ死にさせたら協定実現もなにもなくなるので」

「魔族との協定を考えているの?」


それならイルテのしていることは、王族として間違ってはいない。

けれど神の許しとやらに反しているので、王にはなれない?


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