ひとかけら。
掲載日:2016/05/19
私は深い森の中。もうどこから来てどこへ向かいたいのかも定かではない。
いったいどれほどの日にちをただただ歩いたことだろう。私には欲しいものがある。他人には決して理解されないもの。他人からみればゴミにも等しいもの。私の胸には昔からひとかけらほど欠けているなにかがある。そんなちっぽけな物のために私は今日も歩いている。「あぁ、私は・・・」もしかしたら私に足りないものなんてないのかもしれない。それとも最初からそこは欠けていて、それが完成形なのかもしれない。わからない。
ふと気がつくと、森の奥にかすかな光が見えた。でも、その光は私にはひどくつまらないものに見えた。
「わからない。」
私は深い森の中。
私は今日も見知らぬ場所をただただ歩く。
気がつくとそこは、私が歩きだした場所だった。




